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トランプ中間選挙の下院敗北と、国境「麻薬カルテル」の闇

国境地帯の人々が直面する過酷な現実

 作中、密入国を希望する人たちがカルテルに人間扱いされず、麻薬カルテルに入った少年がギャングへ転落していく様子を通して、国境地帯に住む人々が直面している過酷な現実があらわになります。

 実際に、カルテルは国境地帯で無職の人々を探し出してはスカウトしているのだとか。よく考えてみれば、30フィート(約9メートル)の壁を建設したとて、壁の下にトンネルを掘って密入国すればよいだけのこと。

 つまり、国境の壁建設にはドラッグ、銃や不法移民問題を根本的に解決する力はないことは多くのアメリカ国民もよく分かっているのです。こうした事態も、この中間選挙で民主党が下院で勝利した一因でしょう。

ホンジュラスの移民キャラバンと重なる物語

映画

 2018年10月13日、貧困や犯罪に苦しむホンジュラスの市民が、SNSの呼びかけなどを通じて一斉にアメリカへ向けて移動を開始しました。

 徒歩、ヒッチハイク、ピックアップトラックで移動するこのキャラバンは、ピーク時で7200人以上おり、いくつかのグループに細分化されているのだとか。

 そのうち、80人からなるLGBTグループのキャラバンはアメリカ・サンディエゴのすぐ南に位置するメキシコ・ティファナ市に11月11日に到着しましたが、ほかのグループが具体的にいつアメリカの国境に到着するのかは不明。

 トランプ大統領は国境に1万5000人の兵士を派遣し、亡命申請の規制を強化すると宣言したことから、このキャラバンがたどる運命はまだまだ未知数なのです。

 興味深いことに、トランプ大統領はこのキャラバンには犯罪者や中東のテロリストが入り込んでいると繰り返し主張しており、映画のストーリーとも重なります。ただし、複数の報道によると、このキャラバンの大多数は子供や女性を含んだ家族連れが多いのだとか。