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2018年も転職市場は活況。「安定した転職先」を見分けるには?

学び

「社歴」が長くても要注意な会社も!

 気を付けたいのは、社歴が長くてもいわゆるワンマン創業社長が20~30年引っ張ってきたような会社です。存続を支えてきた「何か」が創業者と共になくなってしまう可能性が大いにあるからです。特にコネを活かした特殊な取引関係や、匠の技で支えてきたような会社は要注意です。

 そうした創業社長は魅力的な人物であることも多々あるため、何かの縁で出会ったときに話していると「この人の元で頑張ってみようかな」とも思ったりします。

 しかしそこは5~10年後にどうなっているかを想像して他の選択肢を考えることが、あくまでも安定性を求めるのであれば得策になります。「後継者は俺の息子がしっかりしてるから大丈夫」と言われても、2代目が創業者を超える力を発揮する確率は、発揮しない確率のほうが高いことを冷静に考えたほうが良いでしょう。

 ただし概して、安定した会社においてはそんなに毎日の刺激や成長実感を求めてはいけません。そうしたものがほしければ、それこそ働き方改革ではないですが、趣味も含めて色々と手を拡げてみることをお勧めします。

転職を考える人が抑えておくべき点

 今回の内容について「そんなの今までと変わらないではないか」と思われる読者も多いかと思います。まさに、社会の大元である政府の運営について、現行とは変わらない体制を支持する票を集めたのが2017年の衆議院選挙でした。

 ここで異なる結果が出ていたら形式的にはルール、実態的には既得権の持続性が変わる部分が社会の各所で起こっていたのかもしれません。それが起こらなかったため、安定的なものはより安定し、そうでないものはそうでない状態が続くというのが2018年からの当面の傾向だということです。

 もちろん段違いの革新的な技術を生み出した会社があれば安定性も革新性も得られるとは思いますが、生み出した人以外でその目利きができる人はごく稀です。転職を考える人は、それを踏まえたうえで考えましょう。

<TEXT/中沢光昭>

経営者として破綻会社や業績低迷企業の再建・変革実績を多数持つ。また、事業承継の受け手として事業会社も所有。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社新書)、『経営計画はなぜうまくいかないのか?』『事業承継による、中小企業を売却するときの基本の「き」』などがある

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