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仕事が取れる名刺の専門家に聞く!自信がつく名刺のつくり方

ビジネス

かつては人とのコミュニケーションで悩み、精神的に病んでいたという福田剛大氏。現在は「仕事が取れる名刺の専門家」として活躍し、日本名刺協会理事まで務め上げる。その背景には、名刺によって自信をつけたことがあった。コミュニケーションがうまくいかず、自信がないビジネスマンは数多く存在するはずだ。そこで今回は、福田氏に自信をつけるための仕事が取れる名刺の作り方をレクチャーしてもらった。

※画像はイメージです(以下同)

「生きている価値がない…」から回帰し3,000人との名刺交換に挑戦

福田氏はかつて会社員だった時代「オレなんか生きている価値がない」と感じるほど、心を病んでいたという。

「当時、精神的に病んでいた悩みを、たったの2か月で解決できると謳う話し方教室に、半信半疑で通うことにしました。最初、私は先生にも食ってかかるような態度でしたが、徐々に心がおかしくなった理屈がわかってきて、2か月後には7割程度回復し、卒業しました。

ただ、あと3割の不安を解消するには、心のリハビリが必要だと感じ、そのために不特定多数の方に会って名刺交換をするのがいいのではと思い、交流会やセミナーに出るようになりました。単純に名刺交換をして名を名乗ることだけを目的として、半年で3,000人と名刺交換を行いました。仕事の問い合わせは皆無で、誰一人として名刺からつながることはありませんでした」

そこで福田氏は名刺に工夫をすることを考えついたという。

「名刺交換後、相手から質問を受けたときに盛り上がることがありました。つまり相手から話しかけられる工夫を名刺に施せば、理想的な名刺交換ができるのではないかと考えたのです。そこで思わず質問したくなるように名刺を工夫した結果、仕事が取れるようになってきたのです。話が苦手でも、名刺さえ工夫することでコミュニケーションはうまくいくと自信が生まれました」

仕事が取れない名刺とは?

そもそもどんな名刺は仕事が取れないのだろうか。福田氏は特徴を3つ挙げる。

1.写真がない名刺
「人間の脳には紡錘状回顔領域と呼ばれる人の『顔』の知覚に特化した部分があるそうです。言い換えると脳は人の顔が大好きといえます。写真があるだけで、好印象が持たれることがわかっているならば、写真がない名刺はそれだけ損している名刺といえます」

2.裏面を活用しない名刺
「名刺交換にはもれなく相手との会話がついてきます。その際に、会話の糸口になるのは裏面を活用した『業務内容』『プロフィール』『趣味・好きな食べ物などの趣味嗜好』などになります。共通項があると親近感がわきますし、意外な部分でつながっていることがわかるとその場で友人になることも可能です」

3.業務内容を羅列している名刺
「裏面に業務内容をたくさん書いていても『結局、この人は何をしているのかよくわからない』と思われてしまって、仕事につながったことはないという相談を受けることがあります。相手が知りたいのは、業務内容ではなく成果です。相手にとって役に立つ成果や実績を書かなければ、仕事につながることはむずかしいでしょう」

仕事が取れる名刺とは「価値観」がわかる名刺

では、仕事が取れて自分に自信が持てる名刺とはどんなものか。福田氏は次のように話す。

「名刺交換は『価値観交換』です。価値観とは『自分が大切にしているモノ・コト、考え方や、判断や行動に影響を与える重要な要素』などと言えます。

初対面の方と名刺交換をする際に、(1)表面だけに社名・肩書・氏名・連絡先を書いた名刺と(2)(1)の要素に加えて印象的なキャッチコピーや、裏面に人となりがわかるプロフィール、実績や成果など記載した名刺をいただいたら、(1)と(2)のどちらの名刺が印象に残りますか? (2)のほうが印象に残ると思う方が多いと思います。

一期一会の機会を一生ものにするチャンスは、価値観が伝わる名刺だからこそ可能になります。例えば、好きな食べ物を書いたり、珍しい経験を書いたりすることで、その場で話が盛り上がります。それ自体、楽しいですし、自信にもつながります。加えて、仕事に対する価値観『仕事観』も伝えれば、それに賛同した方がお客様としてつながりやすくなります」

仕事が取れる名刺のつくり方

「名刺のメッセージやデザインを考える前に、一番大事なことは『誰に名刺を渡すのか=ターゲット』を考えることです。HPやSNS、チラシ、DMなどはきちんとターゲットを想定するのに、名刺の場合はなぜか適当になるのは不思議です。だからこそターゲットをきちんと決めた名刺は仕事を取ることができるとも言えます。ターゲットを明確にする際に次の3つを考えてください」

・一番自分が付き合いたいターゲットは誰なのか?
・その人はどこにいるのか?
・その人はどんなことに悩んでいるのか?

「これが決まると、その人が反応するような『メッセージ』『レイアウト』が格段に考えやすくなります。これを踏まえて、表面と裏面、それぞれ次の内容を入れた名刺を作ることで仕事が取れる名刺が完成します」

<表面>

・相手の悩みを解消できるキャッチフレーズ
・印象的な肩書
・写真(またはイラスト)

<裏面>

・業務内容
・趣味嗜好

すぐにでも名刺を見直して仕事が取れる名刺をつくり、自信をつけたいものだ。ぜひ実践してみよう。

<取材・文/一ノ瀬聡子>

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【取材協力】

福田剛大氏

名刺の専門家、日本名刺協会理事
会社員時代に精神疾患に悩まされるも、半年に3000人との名刺交換をきっかけに、渡すだけで仕事が取れる絶対受注名刺メソッドを確立。名刺のスペシャリストとして講演・セミナー活動を展開。「名刺を作ることで自信を取り戻せた」という声が多数寄せられている。

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