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“生”がライバルのコンドームが誕生。開発者が語る“男女2人の話”から得たヒント

ビジネス

 ドラッグストアや量販店でコンドームを購入する際、選ぶ基準となるのはやはり“薄さ”ではないだろうか。「0.01mm」や「0.02mm」などの薄さを売りにしたコンドームがメジャーな商品として並ぶなか、“気持ちよさ”を前面に出したコンドームがある。それが、ジェクス株式会社が発売する「ZONE」だ

ZONE

「ZONE10pieces」。パッケージはコンドームの夜明けを表しているという

 このコンドームは薄いほど価値がある「薄さ神話」に終止符を打つべく登場した商品。2019年の発売以降、SNSで評判が拡散されていき、コロナ禍においても売り上げは衰えず、現在でも売れ行きは伸び続けている。

 今回はこの商品の開発秘話について、ジェクスの開発担当者・利光部長にインタビューを行った

当初はテーマが決まらず四苦八苦

 ジェクスが開発したZONEは、独自開発の「ステルスゼリー」と天然ラテックスの相乗効果により、これまで得られなかった“生感覚”が得られ、パートナーとの強い一体感を味わうことができるコンドーム。この商品の開発には、さまざまな苦労を重ねたそうで、5年以上もの年月がかかったとのことだ。

「当社のヒット商品である、女性に優しいコンドーム『グラマラスバタフライ』に続く商品を出したいと考えていました。特に当社は性交痛緩和の潤滑ゼリーでNo.1シェアの『リューブゼリー』を製造・販売していることもあり、ゼリー剤を使用したコンドームに力を入れて開発していました。ですが、なかなかテーマやコンセプトが決まらず苦戦していました

2人の男女の話からヒントを得る

ZONE

ZONE公式アンバサダーのZONEY(ゾニー)。なんとVtuberデビューも果たしている

 新商品の開発に悩んでいた利光さんはある日、2人の男女からヒントを得たのだとという。

「ある男性から、お風呂で挿入をしているという話を聞きました。湯船の中ではコンドームの潤滑剤やローションが流れ落ちてしまって摩擦が発生し、ピストン運動が行いにくかったそうです。しかし、糸を引く強めのボディローションなら接着性が高く、流れにくいから便利だという話を聞きました

 また、ある女性の相談を聞いていたのですが、彼女はものすごく濡れやすい体質で『擦っている感覚がないから気持ち良くない』と言われ、とても悩んでいました。濡れると摩擦が弱くなるのが原因だったようです」

 そこで思いついたのが、接着性の高いゼリーがついた摩擦力の低いコンドームだった。「摩擦を軽減して男性の快感を抑えることができれば、女性が先に絶頂を迎えて結果として男性も満足できるのでは?」と考え、「男性は快感を感じにくく、一方で女性は違和感を覚えにくい」という新たな商品作りに挑むことになった。

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