ライフ、マルエツ…「食品スーパー」3社が苦戦する背景。物価高よりも“頭が痛い”のは
競合の食品市場参入に苦しむ
2019/2期から2022/2期の業績は次の通りです。
【ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(2020/2期から2022/2期)】
売上高:6917億円→7339億円→7164億円
営業利益:94億円→191億円→122億円
最終利益:16.4億円→88.5億円→53.7億円
全店舗数:521店→518店→521店
まずは2020/2期の業績を見ていきましょう。同年度はディスカウントストアやドラッグストアなどの他業態店による食品市場参入に苦しめられました。近年、ドラッグストアでも惣菜や冷凍食品を扱うようになっており、都市部に展開するスーパーにとっては他業態店も脅威となっています。利益面では原材料費高騰のなかで値下げを実施したほか、不採算店の減損損失を実施したため、減益となりました。
翌2021/2期は売上高・営業利益・最終利益が共に過去最高値を更新しました。ライフやバローと同様、内食需要の高まりによる好調であり、精肉や鮮魚、青果や一般食品など多分野の商品について前年以上の収益を確保しました。販管費は増えましたが、増収により大幅な増益となっています。
コスト高と競争激化で苦戦
しかし、2022/2期は減収減益となりました。前年のような巣ごもり需要が落ち着いたことで既存店の客数・客単価が共に減少しました。また、すでに競合の多い地域に出店していることからライフやバローのような規模拡大もなく、前年度以上の収益を確保できませんでした。
2023/2期は新たな会計基準に変更しています。第2四半期時点で営業利益は前年比で6割近くも減少しており、特に電気代を筆頭とするコスト高に苦しめられました。売上については、やはりドラッグストアなどの他業態店の参入の影響が大きく、競争激化によって伸び悩んでいるようです。