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監視カメラを社内中に設置…ベンチャー転職で遭遇した“40代社長”の本性

コラム

 人間関係がフラットで、若手が早くから活躍でき、服装規定もゆるい。そんなイメージを抱く人も多いベンチャー企業ですが、実際の仕事は当然、ラクではありません。そこで、「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「スタートアップ企業苦労話」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2018年6月7日、情報は掲載当時のものです)。

depressed young man portrait

※画像はイメージです(以下、同じ)

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 6年前にファイナンス会社から、外資系の子会社である人材育成ベンチャー企業に転職した坂本幸雄さん(仮名・35歳)。上場を目指すという経営の青写真に惹かれて、スターティングメンバーになりましたが、だんだん雲行きが怪しくなります。そしてとうとう上場が不可能になってしまいました……。失敗の原因は何だったのでしょう?

「将来は株主で食える」の甘い言葉に

「前職に特に不満はなかったのですが、異業種交流会で知り合った人財育成ベンチャー企業の幹部の人に教えてもらった、新しい会社の事業計画にとても魅力を感じました。それに、バックとなる親会社は僕も知っている外資系会社だったので、そこがついているのなら安心だろうと思って。しかも数年内に上場を目指すというビジョンも気に入りました」

 30代後半の幹部が耳元でささやいた「上場が可能になれば株を購入し、将来は働かなくても株主で食べていけるよ」という美味しい話を鵜呑みにした坂本さん。

 しかし、今は「40歳ぐらいで株主として、悠々自適に暮らせると思いました。今から考えると、超がつくほど甘かったですね」と振り返ります。

「分業がない」体制に困惑

スーツを着ているビジネスマン、腰に手を当てる

「スターティングメンバーは社長を含めて10人ちょっとでした。そこで、あっ、失敗した……と思いましたね。肝心の人材が集まらず、登録者の数も少なすぎて、スターティングメンバーが一丸となって営業に専念しようとしても、40代の社長が『オレがやる』と言って、部下に仕事を任せてくれないのです」

 しかも通常、社員が部署ごとに分業を担いながら、経営計画に沿って、売上に貢献していくはずなのに、「このベンチャー企業には、分業がないのです。まさかそんなという摩訶不思議な会社でした」と坂本さんは言います。

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