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時給3750円のハンバーガー店バイト…在米ライターが明かす“超円安インフレ”の衝撃

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 2022年10月31日、アメリカ西海岸の都市、シアトルで新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる非常事態宣言が解除になった。2020年3月からの2年半以上にわたる規制が、ほぼ撤廃されることに。コロナ禍を経た今、アメリカはどうなっているのかを紹介していく

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インフレが止まらないアメリカ

 日本では今、物価高が騒がれているが、アメリカではコロナ以前からのインフレがバイデン政権になってさらに加速中だ。レギュラーガソリン価格は記録的な高値水準が続き、1ガロン(約4リットル)当たり5ドル(750円)台もすっかり当たり前の状況。

 トランプ政権時代は1ドル台後半で推移していたため、倍以上の値上がりとなる。カリフォルニア州ではなんと3倍以上の6ドル(900円)超えの地域も。車社会のアメリカでは、ガソリン価格高騰は常に頭痛の種である。11月8日に迎える中間選挙の争点となっており、バイデン政権はまさに逆風のさなかにいる

 昨年まではリモートワーク率が高く、出かける機会も少なかったため、まだ耐えられた。しかし今年に入り、多くの企業ではリモートワークを一部認めつつも、オフィス勤務に切り替える傾向にある。筆者の住むシアトルでは、いまだ約4分の1がリモートワークと言われるが、この非常事態宣言解除で、これからオフィス勤務が増えていきそうだ。しばらく閑散としていた道路も、最近はラッシュアワーの渋滞が激しい。

エノキダケの値段が現地の日本人の間で話題に

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シアトル市内のガソリンスタンド。レギュラーガソリンほか、生鮮食品、乳製品、アルコール類、衣料品などがことごとく値上がりしている

 飲食店やエンタメ、イベントも次々と再開しており、そのための求人も増える一方。ただし、人々のライフスタイル、ワークライフバランスへの考え方は、このコロナ禍で大きく変わった

 以前は当たり前だったオフィス勤務または対面となる仕事より、リモートワークが好まれる。家族と一緒の時間が増え、移動にかかるガソリン代やランチなどの外食費を節約できるリモートワークのメリットを、手放したいという人はなかなか見つからない。

 働き手がいない店は営業を拡大できないばかりか、人材の確保に向け給料を上げなければならず、その分のコストはもちろん客側が支払うことになる。

 シアトルでの外食費は体感でコロナ以前の1.5倍。生鮮食品や日用品はそこまでではないにしても、前年比9%のインフレが重くのしかかる。筆者も先日、1本5ドル(750円)するキュウリを思わず棚に戻した。現地の日本人の間では、エノキダケ1パック9ドル(1350円)の価格設定が驚きをもって受け止められている

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