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時給3750円のハンバーガー店バイト…在米ライターが明かす“超円安インフレ”の衝撃

ビジネス

当初はアメリカの物価の安さに驚いたが…

アメリカ

どのスーパーマーケットを訪れても、求人告知を大きく掲げている

 20年近くアメリカで暮らす筆者だが、当初はアメリカの物価の安さに驚いたものだ。しかし、3年ぶりに帰省した日本で、今度はアメリカと比べて何もかも安い日本の現状にショックを受けた

 スーパーマーケットに出かけても、さまざまな高品質の野菜が100円もしない低価格で並ぶ。外食に出かけても普段使いの店なら、アメリカのように2人で100ドル(1万5000円)を超えることはなかなかない。20年前と変わらない日本と、インフレの進んだアメリカの差を目の当たりにした。

 その安さの背景としては当然、なかなか給料が上がらない日本の雇用事情が考えられる。平均給与は443万円(国税庁『令和3年分民間給与実態統計調査』)と、10年前からあまり変わっていないようだ

人員不足は深刻、全米求人増加率1位の州では

アメリカ

高い時給と豊富な福利厚生をうたう地元バーガー・チェーン店の求人告知

 では、アメリカはどうだろうか? 日本から見れば、高給取りに思えるのかもしれない。しかも、1ドル160円が視野に入る歴史的円安の渦中だ(※執筆時点)。確かに前述の通り、人員不足から、多くの企業で高給が提示された求人が出ているのも事実。中でも求人増加率全米第1位のワシントン州ではそれが顕著だ

 たとえば、QFCという一般的なご近所スーパーで時給21.5ドル(3225円)。長年地元で愛される庶民の味方、ファストフードチェーンのディックス・バーガー店では時給25ドル(3750円)。シアトル市で定められる最低時給は来年1月から18.69ドル(2803円)となり、さらなる賃上げが見込まれる。

 時給25ドルならフルタイム勤務(8時間)で単純計算すると、年収4万9200ドル(738万円)。この数字を見ると、「バイトでいいからアメリカに出稼ぎに行きたい!」と思う方もいることだろう。

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