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なぜ欧米より日本で「面白い間取り図」が生まれるのか?在英建築史家からは驚きの理由が

 面白い建築物は、日本よりも欧米のほうが圧倒的に多い気がする。しかし、間取り図という形で、日本に紹介されることはまずない。なぜなのだろう?

間取り図

※画像はイメージ

 間取り図が大好きなマドリスト(パネリスト)の森岡友樹、大山顕、大塚幸代のツッコミ&ゆるトークを書籍化した『間取り図大好き! 増改築版』(編・間取り図ナイト)より、イギリス在住の建築史家・遠山晃望さんに、間取り図の歴史とヨーロッパの物件事情について聞いてみた記事を抜粋する(以下同書より)。

ヨーロッパではいつから間取り図が広がった?

間取り図

20年前のヨーロッパの物件情報。「気になる人はとりあえず内覧してもらう」が基本なため、外観の写真がメイン。間取り図は当然ない

――いわゆる間取り図というものが一般向けに登場したのは、日本では戦後しばらくたってからだと思うのですが、ヨーロッパでは、間取り図的なものって、いつ頃から出回り始めたんですか?

遠山晃望(以下、遠山):そもそもヨーロッパには、間取り図ってものが最近までなかったんですよ。ただ、それに近いものに関しては歴史が古く、紀元前からイクノグラフィアという建物の平面図があって、それが日本にもある建物の設計図、いわゆるブループリント(青図)として普及しました。また、平面図に限らず、鳥瞰図(斜め上から見下ろした図)もかなり昔からありました。

――どちらかというと、内部を解説するというより、全体を解説するような図が一般的だったと?

遠山:そうですね。そもそもが貴族社会ですから、お金持ちは自分が所有する建物を全景で収めておきたいという欲求や必要があったんだと思います。

日本最古の間取り図は光源氏の覗き絵図!?

間取り図ナイト

間取り図ナイト・編『間取り図大好き! 増改築版』(扶桑社)

――そういう図って、日本にもありますね。

遠山:ありますね。日本でも平安後期から、建物の間取りがわかるものが出てきましたよね。たとえば、『源氏物語絵巻』なんかがそうですよね。ただ、間取りのすべてが描かれているわけではなく、精密さには欠けます。

――たしかに。垣根から源氏が女性を覗いていて、それを俯瞰する視点での間取りですよね。

遠山:こうした絵巻から読み取れるのは、権力の誇示というよりは、言葉を補足するもの。……官能小説の挿絵と言ったら言いすぎですが、それに近いものはありますよね(笑)。

間取り図大好き! 増改築版

間取り図大好き! 増改築版

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