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パソナは「過去最高の売上高」…飽和市場で成長を続ける人材派遣大手3社

ビジネス

「同一労働同一賃金」の影響も大きい

面接

 翌2021/3期はコロナで経済が大打撃を受けた年ですが、同社の業績は大きく悪化しなかったようです。

 前年度末時点で1.39だった有効求人倍率は1.10倍にまで低下し、派遣需要の減少が見られたものの、「同一労働同一賃金」への対応によって請求単価が上昇したため、「Staffing」事業および「Professional Outsourcing」事業は増収となりました。一方、営業利益は未稼働率の上昇や海外事業の悪化が原因で減少しました。

 2022/3期は売上高・営業利益・最終利益がいずれも過去最高を記録した年度です。経済活動の回復で全事業の売上高が増えており、特にSolution事業においては企業のIT化需要もあって大幅増収となりました。

 近年の業績を見るとパーソルHDは主力事業に加え、エンジニア派遣やソリューション事業も上昇傾向にあることが分かります。人材派遣市場が飽和する中、M&Aや需要が伸びるIT・技術者人材の派遣事業で今後も伸びるのではないでしょうか。なお同社は人手不足の中で中途の人材紹介事業も伸びると予想しており、2023/3期売上高は1兆1165億円を見込んでいます

アウトソーシング:M&Aを進めて規模を拡大

 株式会社アウトソーシングは2010年代から国内外で人材派遣・請負業者のM&Aを進め、規模を拡大してきました。子会社を通じてOffice・Webデザイン・プログラミング教育を行う「KENスクール」を運営しています。各事業セグメントの2022/12期売上高は次の通りです。

【アウトソーシングの事業内容と2022/12期売上高】
国内技術系アウトソーシング事業:1238億円
国内製造系アウトソーシング事業:997億円
国内サービス系アウトソーシング事業(米軍基地関連):292億円
海外技術系事業:1398億円
海外製造系及びサービス系事業:1768億円

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