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「若いうちは自分に投資しろ!」は真実か?海外MBA取得者に聞く“自己資金”論

学び

 こんにちは、伊藤祐(@TasukuIto5)です。Zenyum Japan(ゼニュムジャパン)という透明マウスピース矯正サービス企業の代表取締役社長を務めております。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は「若いうちは自分に投資しろ!」という、けっこうよく聞く主張について、具体例を挙げつつ、その是非について考えていきます。

投資がブームだが、自己投資は…

 岸田文雄首相が「貯蓄から投資へ」と財政政策で掲げていたり、かつて「老後2000万円問題」レポートが話題になったり、そもそも「ひとつの会社に勤めあげて、60歳になったら退職金一気にもらってリタイア!」という黄金パターンがほぼ絶滅というトレンドを受けたりして、若い人たちの間でも投資が徐々にブームになっています

 FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)というアメリカから輸入されたコンセプトも、多くの人に刺さってる印象があります。これから数十年後、世界や日本がどうなるかわからないですし、早い段階で経済的不安がなくなるに越したことはないのは確かです。

 一方、「投資に回せるお金が少ない20~30代での金融資産投資は効率が悪い。まずは”自分”という最高の利回りを見込める資産に投資すべきだ」という「若いうちは自分に投資しなさい理論」も根強くあります。金融資産は状況により元本割れするリスクはもちろんありますが、自分自身への投資の場合、「稼ぐ力」が減衰することはなく、めっちゃ効率の良い投資になる、という意見です。

若いうちは自分に投資しなさい理論の是非

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 これもおおむね同意できる意見ではあります。

 ただ、実際に「投資」をしないといけない(ぼくを含めた)若者たちの目線で考えると、「結局、金融資産運用なのか、自己投資なのかどっちやねん」と文句のひとつも言いたくなります。お金使うのはぼくたち側ですしね。金融資産の投資の是非や過去のパフォーマンスについては金融の専門家の方に論点を譲るとして、今回は前述の「若いうちは自分に投資しなさい理論」について、具体例をベースに考えてみます。

 ぼくは、新卒でコンサルティングファームに就職してから、現在のZenyum Japanで経営者になるまで、現職含めて4社経験しています。その中で、「うわぁぁぁああこの人すごい! カッコいい!! ぼくも同じようになりたい!」と憧れ、尊敬している方々が主に4名おり、その人たちは例外なく「若いうちは自分に投資」していたように思います。彼らのプロファイルはこんな感じです。

・現在30代後半~40代後半
・全員海外の有名大学でMBA(経営学修士)取得済
・全員英語堪能
・経営者2名、役員2名
・20~30代前半のキャリアは、それぞれコンサルタント、エンジニア、金融業、起業家

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