防大卒エリートが挫折…「何者でもない自分」を受け入れた私に起きた心の変化
さようなら!「防大卒エリート」にしがみつく自分
私には幹部自衛官を続ける選択肢もありましたが、「このままいても組織に貢献するのは難しい」と考え、転職に活路を見出しました。もちろん辞める選択の前に「安定したキャリアを棒に振るのか」「周りの人に迷惑がかかる」「肩書きがなくなる」など悩みがたくさんありました。
ただ「ぼんやりとした気持ちで続けるのは組織にも失礼」という決断に至り、何者でもなく、何の肩書きもない自分を目指すことにしました。
そして「何者でもない自分」を目指した途端に私の心はワクワクするようになりました。退職にあたって不安はありましたが、高校卒業後から「自衛官」を演じ続けてきた私にとって、一般社会での自分の可能性にときめきを覚えたのです。
転職の際の大きな壁になったのは…
ここで私が感じたのは、人生は理想と希望がある時にときめくのであって、安定した環境や肩書きに対してではないということです。少なくとも私は何者でもない自分を求めることで、心の平穏を取り戻しました。
私は幹部自衛官として勤務していましたが、転職の際に大きな壁となったのは「職歴」です。中途採用は専門性が求められるので自衛官の経歴はネックになります。職歴をクリアでき、自分の経験を活かせる企業はどこだろうか? と探した時に、とある企業を見つけました。
その会社は人材の採用・フォロー、労務環境の改善、メンタルヘルスケアなどを全般的にやっており、自分の経験と興味がマッチしていました。そこで私は採用面接を受け、内定をいただいたので陸上自衛隊を退職し、新しいキャリアを歩むことになったのです。
<TEXT/ぱやぱやくん>