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突然届いた“見知らぬ人からのLINE”。おびえる営業マンに訪れた予期せぬ展開

コラム

ようやく明かされた相手の正体

 しばらくして返信があり、なんとその相手は数年前の社内飲み会で、隣の席に座った人事部の女性上司のMさんだったということが判明したそう

「どうやらその飲み会で、僕は酔いも加わりMさんに調子のよい言葉を並べていたそうなんです。『好みだ』と言ったり、『初恋の女性に似ている』と言ったり……とりあえず、丁重にお礼のメッセージを返しました」

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 あまり褒められたことのないMさんは、すっかりその気になり飲み会の翌日に、大樹さんが所属するフロアに足を運んだそうです。少し奥のほうでパソコンに目を向ける大樹さんを見つけ、視線を送りましたが、無表情のまま無視されたそうです。「たぶん、Mさんはこのことが原因で僕にあんな接し方を始めたんだと思います」。

記憶を蘇らせた彼女の香り

 相手は判明したものの、依然として当時を思い出せない大樹さんは、思い切ってLINEでMさんをランチに誘ったそうです。その席で大樹さんは、Mさんのことをすぐに把握できなかったことを詫びたそうです。それに続き、Mさんも自身の奇行を素直に謝り、その後はたわいのない会話で時間はあっという間に過ぎました。

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「話していくうちに突然、ハッとする何かを感じました。それは、Mさんがつけている香水の香りでした。その女性らしい香りが、あの飲み会の時の香りと結びついて、さまざまな記憶が一瞬で蘇ったんです。たしかにあの夜は酔っていましたが、実際にMさんは魅力的だったし楽しかったことを思い出しました」

 そう語る大樹さん。Mさんの香りが全てを解き明かしてくれたそうです。急にMさんのことを愛おしく感じ始めた大樹さんは、その後も何度かランチに誘って距離を縮めたそうです。Mさんも毎回のランチタイムを楽しみにしていてくれて、何度目かのランチの時に仕事終わりのデートを提案した大樹さん。もちろん、Mさんも快諾してくれたそう。

 その後二人の仲は急展開し、正体不明の女性Mさんは大樹さんの彼女に昇格し、大樹さんも今まで以上に仕事に打ち込む日々を送っているのでした。

<TEXT/ベルクちゃん>

愛犬ベルクちゃんと暮らすdigiart(デジアート)の担当者です。音楽心理学に基づいた「耳で飲むお薬®」をはじめ、メンタルヘルスに効果的な音声素材を独自のmeditone®テクノロジーで開発している会社です。心地良い睡眠、上質なリラクゼーションなど、心の弛緩をiOS・Androidアプリ向けに配信中。
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