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飛行ルートは誰がどうやって決めているのか?フライトごとに変わる秘密

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夜間の離着陸時に必ず客室の明かりを消すワケ

飛行機

 旅客機に乗るたびに不思議に思うのだが、夜間の離陸時と着陸時には必ず機内灯を落とし、暗くする。なぜ、わざわざそのようなことをするのだろうか。離着陸にはフライト時より電力を使うとでもいうのだろうか。じつはこの理由は、人間の目の性質にある

 人の目は暗さや明るさに少しずつ慣れていくようにできている。急に真っ暗なところに入ると、目が慣れるまで、しばらく何も見えない経験は誰にでもあるだろう。これを暗順応というが、完全に順応できるまで、約30分かかるといわれる。離着陸時に機内を暗くするのは、この人間の目の性質を考慮したものなのだ。

 というのも、もし夜間飛行中にトラブルが生じたら、緊急脱出をしなければならない。当然、その際は一秒の遅れでも命取りになりかねない。ところが、明るい機内から暗闇の世界へ突然出たために、みんな暗順応を起こして脱出にとまどったりしては大変だ。

 そのため、もっとも事故の起こりやすい離着陸時には、あえて機内を暗くしておき、あらかじめ乗客の目をならしておくのである。これはパイロットも同じで、夜間飛行中のコックピットの明かりは最小限にとどめ、明るい光線を浴びないように工夫されている。

フライトごとに変わる飛行ルートの秘密

 ひと口に東京~ハワイ間の飛行ルートといってもいくつもある。もちろん、ただ単に近道を選ぶわけではない。ルートや飛行高度はフライトごとにちがう。偏西風など季節特有の気象条件や当日の天候、ほかの旅客機の運航状況などに応じて、最適なものを選ぶのだ

 このようにフライトごとに運航計画を立てるのがディスパッチャーと呼ばれる人たちだ。運航管理を担うディスパッチャーは出発地や目的地、気象などを調べて安全で効率のよいコースを見定める。

 そして、燃料や荷物の重量、その位置まで把握して重量バランスを考慮しながら、フライトプラン(飛行計画書)を作成していく。飛行計画書とはルートや高度はもちろん、距離や時間、燃料の消費、風速なども数値で簡潔に示されたものだ

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