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ニトリがファミレスに進出「660円ハンバーグ」のこだわりを聞いた

ビジネス

 2021年3月18日、足立区にニトリの飲食業態1号店となるニトリダイニング「みんなのグリル 環七梅島店」がオープンした。ニトリといえば、家具やホームファッションの量販店として知られているが、現時点で全国で6店舗を出店している。

ニトリダイニング

ニトリダイニング みんなのグリル 成増店

 なぜ飲食業に進出したのだろうか。新業態に進出するにあたっての工夫と苦労、そしてニトリらしさはどこにあるのか、株式会社ニトリパブリックの外食事業部マネージャー小林純氏に話を聞いた。

飲食業に進出した背景

 美味しいチキンやグラタン、デザートなどを提供する「みんなのグリル」だが、そもそも誕生の経緯は?

「弊社の優位性が高まった地域では、周囲に規模の小さい店舗も作り始めたんですが、すると大型店舗の駐車場スペースが空き始めました。会長(似鳥昭雄)の『衣・食・住それぞれに関わる事業を進めていきたい』という思いを具現化すべく、そのスペースで、飲食店を始めようという話が出たんです」(小林氏、以下同)

 駐車場スペースの有効活用として某ステーキチェーンを9店舗誘致することに。そして、新たにフランチャイズ契約で3店舗をオープンさせていたのだが、大量閉店の波に襲われる。

「コロナの影響によって、フランチャイズ契約店舗が出店しはじめて1年も経たないうちに閉店を余儀なくされることになったんです。ただ、ニトリはそもそも『自前でなんでもやってみよう』という文化がある会社なので、思い切って自社で展開する話になったんです。そして、閉店した店舗の残った客席や厨房設備も有効に活用できる形態の店として、『グリル』という形態で開店することにしました」

メニューの開発も自前で行うことに

ニトリダイニング

 飲食店に進出する上で、当然「味」は重要な要素となる。ニトリにはそのノウハウはないように思える。

「ここでも、自前の資産を活用したいという思いがあり、社内で料理を任せられる人を探しました。子会社であるニトリパブリックが、小樽で『銀鱗荘』という高級温泉旅館を運営しており、その宿の腕のいいシェフに来てもらい、メニュー開発を進めました。しかし、“今ある設備”に加え、“アルバイトが作る”という条件だったので、職人としてやって来たシェフも勝手が違う部分が多くあり、お互いに苦労しましたが、協力しながら作り上げていきました」

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