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なぜ男女間の賃金格差が生まれるのか。元凶は日本特有のシステムに

ビジネス

 2022年6月3日、政府は企業や自治体などに男女間の賃金格差の開示を義務づける方針を打ち出した。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2020年の日本の男女賃金格差は22.5%とOECDの平均値(11.6%)を大きく上回っている。

男女 差別

画像はイメージです(以下同じ)

 日本の男女の経済格差は世界から大きく後れをとった深刻な状況であり、開示することによって格差是正を促すことが期待される。

 とはいえ、賃金格差の開示が女性の待遇向上につながるのだろうか。『これからの賃金』(旬報社)の著者で明治大学名誉教授の遠藤公嗣氏に、今回の開示が何をもたらすのか、男女間の格差がいまだに大きい原因などを聞いた。

企業側にも開示するメリットはある

 まず賃金格差の開示について、「開示は良いことです」と遠藤氏は回答し、以下のように語る。

「賃金格差の大きい企業には、優秀な女性が入社を希望しなくなります。加えて、真に賢い男性も入社しなくなるでしょう。その結果、企業業績が落ちることが予測されるため、株式市場などの資本市場で格付けが低くなり、資金調達が不利になります。

 一方、賃金格差の小さい企業では、この逆の論理が働くため、女性が不平等感を抱きながら働くことはなくなりますし、企業側のメリットも大きいです

正規と非正規をまとめて情報を出すべき

遠藤公嗣

遠藤公嗣氏

 続けて、どのように情報を開示すれば良いのか、気をつけるべきポイントを示してもらった。

「開示情報が正確な格差を示さない場合、メリットは得られないかもしれません。実は非正規労働者は明確な定義がありません。例えば、厚生労働省の労働統計では、職場でパートと呼ばれている人はパートタイマーに分類しており、その定義はとても曖昧です。

 加えて、非正規労働者は女性の割合が高いため、『男性正社員と女性正社員の賃金格差は?』としてしまうと明確な格差がわかりません。雇用形態で比較するのではなく、正規労働者と非正規労働者をまとめたうえでの男女の賃金情報を出すべきです

 業界によっては非正規労働者の割合が高いケースもあるため、一概に非正規労働者の男女間の賃金情報を見ても、その企業の全体像がわからない可能性もありますから」

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