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ヨン様のCMは「センセーショナルな出来事」。眼鏡市場の2代目が語る“帝王学”

ビジネス

 商品や価格の熾烈な競争が繰り広げられるメガネ業界。コロナ禍で変わる消費者志向、そしてライフスタイルの多様化により、メガネ業界各社は生き残りをかけてしのぎを削っている。こうした状況のなか、業界の常識を覆すチャレンジを繰り返し、売上NO.1にまで上り詰めたのが「眼鏡市場」だ

メガネトップ

株式会社メガネトップ 代表取締役社長の冨澤昌宏氏

 競争激しいメガネ業界の逆境を乗り越え、どのようにして現在の地位を築いてきたのだろうか。創業家出身の2代目社長で、「眼鏡市場」を全国に展開する株式会社メガネトップ代表取締役社長の冨澤昌宏氏に話を聞いた。

小学校の卒業文集では「将来は社長になる」

 子供の頃から会社の周年パーティーに呼ばれ、幹部や役員と触れる機会があったという冨澤氏。また、年始の挨拶には冨澤家に多くの社員が訪れ、自ずとメガネトップの関係者と接する環境にあったそうだ。

実は小学校の卒業文集に『将来はメガネトップの社長になる』とすでに書いていたんです。もちろん、その当時は社長業や経営については全く知らず、ただ漠然と将来を見つめていたのだと思います」

 メガネトップの実情について、現実的に知るようになったのは大学生になった時期。冨澤氏がキャリアについて考えていたとき、父親(冨澤昌三・現会長)から「会社を継ぐなら経営学を学んだほうがいい」と、アドバイスがあったという。

 また、就職先についても「広告代理店で働けば、マーケティングやビジネスの大局的な流れを掴んでおける」と背中を押されたそうだ。

自分を認めてもらうことを意識した

眼鏡市場

2017年12月から使用されている眼鏡市場のブランドロゴ

 こうして新卒で大手広告代理店へ入社し、数年間にわたって広告ビジネスに従事したのち、2005年にメガネトップへ入社し、グループ経営企画部へ配属されることになる。

「ゆくゆくは社長の座に就任するという“ボンボン”には見られたくなかった」と語る冨澤氏は「入社以来、一貫して意識してきたのは社員から信頼され、自分を認めてもらうこと」だと述べる。

「社員と意思疎通を繰り返し、一緒に時間を共にしていけば、お互いの関係性はできてくる。一方で、信頼されるためには『仕事ができる人』だと思われないといけません。そのため、仕事の正確性やスピードを意識し、任されたことを淡々とこなしていました。

 当時は会社全般のことを考えており、経営の難所を越えるためにコストカットを考えたり、事業の方向性を定めたりする時期でした。各部署と密にコミュニケーションしていき、光熱費や販促費などの経費削減にも取り組んでいました」

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