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スシロー「1皿100円」終了へ。38年間値上げせずにすんだワケ

ビジネス

 ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で原材料費や物流費が高騰し、多くの外食チェーンで値上げの発表が相次いでいます。そんななか、スシロー(株式会社あきんどスシロー)が2022年5月9日、値上げを発表しました。10月1日より実施されます。

スシロー

 値上げ幅は10円から30円、最低価格は一皿120円に。1984年の創業以来、38年間続いてきた100円(税抜)の皿が、ついになくなります。

 今回の値上げについて、中小企業診断士・関谷信之氏が考察します(以下、関谷氏の寄稿)。

なぜ38年間も値上げをせずにすんだのか?

「38年間も100円の商品を提供し続けてきた」

 このことに驚いた人も多いのでは。回転寿司の原価率は50%程度。飲食業の適正原価率30%(※1)をはるかに超えています。にもかかわらず、これまで値上げせずにすんだのはなぜか。理由は「スシローが回転寿司だから」です。

 拍子抜けされるかもしれません。しかし、これこそが他の飲食業が真似できない、スシローの強みなのです。スシローの強みと、競合するくら寿司(くら寿司株式会社)について考察します。

※1…FL比率<F=food(材料費)とL=Labor(人件費)の合計を売上で割ったもの>の一般的な適正値より。適正値は60%程度、内訳は食材と人件費で半々、F(材料費)30%、L(人件費)30%とされている。

回転寿司のレーンは「提案営業」ツール

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スシロープレスリリースより(『100円祭』2022年3月)

 他の飲食業と回転寿司の違い。それは、何が売れるか、ではなく何を売るか、のビジネスであることです。

 値上げできない。食材は高騰する。販売数は増やしづらい。となると、利益を獲得するには、「何」を「どんな配分で」売るか。商品の売上構成、すなわち「商品ミックス」を工夫する必要があります。

 回転寿司は「商品ミックス」をコントロールしやすい業態です。他の飲食店にはない「レーン」があるから。そして、店側が、レーンにどんな商品を流すか決められるからです。いわば、「提案営業」ができるのです。

 価格が高騰したネタは、レーンに流す量を減らし、代わりに原価が安い(=利益率が高い)サイドメニューなどを増やす。商品ミックスを組み替えることにより、“売りたい商品を売り”、値上げすることなく目標利益率を維持することができる。それが回転寿司の強みです。

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