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急騰中の天然ガス。半年で1000万円稼ぐサラリーマン投資家に手法を聞く

コラム

 エネルギー価格の上昇に頭を悩ませている人に朗報? 天然ガスのトレードで着実に稼いでいるサラリーマン投資家がその手法を公開する。

ガスタンク

※画像はイメージです

 電気代にガソリン代、食品サービス――あらゆるものが値上がりしていることに頭を悩ませている人も多いはず。その原因のひとつはウクライナ危機から波及した商品市況の高騰だ。この1年(2022年5月15日時点)で「WTI原油先物価格」は60ドルから110ドルへ、「NY天然ガス」は2ドルから8ドルへ、「欧州天然ガス(オランダTTF)」に至っては20ドルから一時は200ドルへと暴騰している。

天然ガスのCFDで稼ぐ

 そんな大荒れ模様の商品市況に乗って稼いでいるのが、サラリーマン投資家のきんくま氏@KINKUMACH)だ。

「昨年9月から半年ちょっとで約1000万円近く稼ぎました。元手は100万円。トレードしているのは主に天然ガスのCFD(差金決済)です

 CFDは先物商品を原資にした金融商品。おのずと天然ガスのCFDはNY天然ガス先物に連動する。足元の上昇相場では買いが基本スタンスかに思えるが、きんくま氏が実践するのは逆の手法だ。

グラフ

平時は2ドルから4ドル台だが、年に1、2回、急騰する天然ガス。すぐに急落するため、4月からの急騰も短命となるか?

「急騰時に売りポジションを積み上げていって下げたところで利益確定するというトレードしかしていません。なぜなら、天然ガスの値動きにはわかりやすい特徴があるからです。上がるときは短期間で暴騰しますが戻りも早い。過去のチャートを見ると、平時は3~4ドルで推移していますが、日照不足や風力の低下による欧州エネルギー危機が起きた昨秋には6.5ドルまで上昇して数か月で3ドル台へ戻っています。’18年冬の大寒波でも5ドル弱まで急騰し、翌月には3ドルを割っています」

天然ガス先物は高騰しているが「売り上がりは有効」

きんくま氏

サラリーマン投資家のきんくま氏

 足元のNY天然ガス先物はウクライナ危機の影響もあって高騰しているが、それでもきんくま氏は「売り上がりは有効」と話す。

「ガソリンやプラスチック製品などに使用される原油と異なり、天然ガスの用途は暖房や発電に限られます。冬場を過ぎれば一気に需要が減少するため、原油相場のように長い上昇トレンドが発生しにくいんです。ウクライナ危機が続く限り3ドル台まで下げることはないかもしれませんが、それでも需要減少で調整は進む」

 上昇局面で売り向かえば、含み損は膨らむ一方だが、CFDならではのメリットもあるという。

「先物が上がり続けると予想されるなか、CFDを売っていくと価格調整金がもらえるんです。だから、先物トレードと違って、時間を味方につけることができる」

 前述のとおりCFDは先物を原資にしているが、その先物には「6月限」などのように期日がある。期日までにポジションを清算しなくてはならないのだ。一方でCFDは先物を原資にしておきながら期日がない。5月限から6月限のNY天然ガス先物へと原資を“乗り換える”ことでCFD価格の連続性を保っているのだ。

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