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イーロン・マスクはTwitterをどう変えるのか。買収で“ユーザー離れ”の可能性も

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表現論争は各国議会へ

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 マスク氏によるTwitter買収は、異例ではあるが、資本主義のルールに反しているわけではない。「自分への批判も歓迎する」という彼の当面のスタンスは、一応フェアだと言っていいだろう。

 もちろん、Twitterは絶対の存在ではない。WorldWide Webの仕組みにしたがえば、TwitterはあくまでひとつのWebサイトでしかなく、代替するものを作る権利をすべての人間が確保している。

 とはいえ、ただちに取って代わるようなプラットフォームが存在しないのも事実である。同じくタイムライン形式のSNSである「マストドン」は、特定のプラットフォーマーの支配を脱する試みだったが、大衆的な存在にはなっていない。

 マスク体制のTwitterが極端な放任主義の立場に立つとなると、人種差別やテロ扇動などの悪質な投稿に対抗するには、各国の国内法によって規制するしかなくなる。したがってこれからは、各国議会での「SNS規制論争」が一層強まっていくものと思われる

 しかし、Twitterが日本に上陸した頃を振り返ると、そもそもそこが“言論”の場所になるとは考えられていなかった。「なるほど四時じゃねーの」と無神経につぶやいていた頃には、もう戻れない。

<TEXT/ジャンヤー宇都 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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