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燃料費高騰で逆風の電力業界。東電、関電も業績悪化の“深刻な事情”

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 2022年3月22日、経済産業省は東京電力管内で電力不足が発生する恐れがあるとして「電力需給逼迫警報」を発令しました。宮城・福島で最大震度6強を記録した同月16日の地震の影響で福島県・広野火力発電所が被害を受けたためです。

停電 ろうそく

画像はイメージです

 近年では燃料費の高騰に歯止めがきかず、火力依存は電力会社の業績に悪影響を与えています。そして新電力の参入も大手電力会社のシェアを奪っており、さらなる業績悪化が懸念されるところです。今回は東京電力・関西電力に注目し、近年の業績推移をみながら電力業界の今後について予想します。

脱原発で進んだ日本の火力依存

 2011年の東日本大震災以降、日本の電力源構成は大きく変化しました。総発電量に対する原子力発電の割合は2000年が34%、2010年が25%と、大震災以前はおおよそ3割を推移していましたが、福島第一原発の事故で脱原発が加速、2012年にわずか2%まで落ち込み、2014年には原子力発電が始まって以降初の「原発稼働ゼロ年」となりました。2019年は6%、2020年は4%と再稼働はしているもののわずかに過ぎません。

 放射能に関する危険性は低減された一方、脱原発を補う形で火力発電依存が進みました。2010年には66%だった火力比率は2014年には88%まで伸びてしまい、その後は減少するものの、2020年は75%と大震災以前よりは高い水準です。

 太陽光発電は8%台まで伸びていますが、風力発電は1%未満と再生可能エネルギーは脱原発を補うには至らず、火力発電依存が進んだ形です。こうなるとCO2排出量が問題となるばかりでなく、化石燃料の高騰による発電コストの上昇が課題となります。特にコロナ禍に入ってからは、燃料費が上昇し続けており、国内の大手電力会社はそのツケを払わされています

営業利益が下がり続ける東京電力

南横浜火力発電所

南横浜火力発電所 ©photo 34

 国内で最大の電力会社である東京電力の業績から見ていきましょう。東京電力は東京・神奈川・北関東三県など首都圏に加え、静岡県内の富士川以東を管轄しています

 もちろん膨大な電力需要をこのエリア内の発電所だけで賄うことはできないため、東北・北陸地方にも発電所を設置しています。決算資料によると「東京電力HD」における近年(2018/3期~21/3期)の業績推移は以下の通りです。

【東京電力HDの業績(2018/3期~21/3期)】
売上高:5兆8509億円→6兆3384億円→6兆2414億円→5兆8668億円
営業利益:2884億円→3122億円→2118億円→1435億円
最終利益:3180億円→2324億円→507億円→1809億円

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