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未経験でも異業種で働ける時代に。転職で満足するための新トレンドが

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今の仕事に将来性が見出せない……」と、コロナ禍で転職を考えた人は少なくないはず。実際、転職業界では成長の機会を求め、異業種・異職種転職が活発化。そんななか、近頃、転職意向のある人々の間である変化が起きている。

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画像はイメージです(以下同じ)

 株式会社リクルートのHR統括編集長 藤井薫氏曰く、キャリアを「ディグる(深く掘り起こす)」ことがトレンドになっているという。これは自分自身の経験やスキル、感情を深く掘り起こす行動を指す。

 今回は、「ディグるキャリア」とは何か、そしてそのメリットについて藤井氏に話を聞いたうえ、実際に転職に成功した2名の事例も紹介する。

転職するきっかけは「やりがい」に

「当社が2021年に行ったアンケート調査の結果、『仕事の意義(やりがい)』『仕事への没頭(やりたいこと)』を重視しはじめていることが分かりました。働く個人の価値観はコロナ禍で変化し、転職活動のきっかけも『やりがいのある仕事をしたいと思った』という回答が多く、企業に応募する際に重視する項目でも『やりたいことを仕事にできる』が最多となっています」(藤井氏、以下同じ)

 このようにキャリア観の変容に伴い、心から夢中になれる新たな業界や職種、キャリアに挑戦する潮流が生まれているという。従来の転職と、「ディグってみた」末の転職とでは、どのような違いがあるのか。藤井氏は次のように解説する。

「ディグることのメリットは、異業種や異職種にも新たな選択肢が増え、自分の才能を開花できるチャンスがあることに気づけることだと考えています。自身の経験やスキル・感情を深くディグることは、『やりがい』『やりたいこと』など自分の心の声に従い、夢中になれる異領域へキャリアチェンジし、自身の再成長を促す一歩につながります

大まかに分けて3つのパターンに分かれる

藤井薫

藤井薫氏

 ディグる方法は千差万別。個人によって異なるが、藤井氏によれば、大まかに3つのパターンに分かれるという。

「まず、転職前に社会人インターンシップや副業の機会を活用して、経験やスキル・感情がワクワクするかお試しをします。そして、相手企業からフィードバックをもらい、自身の強みを掘り下げる手法です

 次にこれまで自分が所属していた業種や職種、仕事内容とは異なる領域に選択肢を拡げられるよう、新たなものさしで仕事を探す手法。例えばエージェントとの対話を活用することがそのひとつです。

 最後に、何を学び、才能を伸ばしたいかを深く掘る手法です。転職前に学び直したり、転職後の新たな仕事の中で強化したいことに気づき、リスキリングして自分の才能を深めます」

 この他、自身でキャリアの棚卸をする過程でこれまでの経験やスキル、感情を深くディグることで、気づきを得る人もいるそうだ

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