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「泥臭く粘れるのは若さの特権」藤田晋が“伝説の雀士”から学んだ2つの哲学

学び

 浮き沈みの激しい実業界で、常に注目を集めるサイバーエージェントの藤田晋社長実業家の堀江貴文氏

藤田晋

藤田晋社長 – 撮影=HARUKI

 IT業界を牽引してきた“盟友”が学生時代のエピソードから一緒にビジネスをするようになった瞬間、ビジネスにおける苦悩までを語り合った新刊『心を鍛える』(KADOKAWA)。今回は藤田氏の「泥臭く粘れるのは若さの特権」についての項を同書より紹介する(以下、一部編集のうえ抜粋)

藤田晋が「雀鬼」から学んだ哲学

 私が麻雀から学んだ哲学をお伝えしたいと思います。というのも、私が18歳、つまり大学1年生のとき、「稀代の勝負師」と称される桜井章一会長が設立した麻雀の競技団体(道場)である「雀鬼会」に約1年もの間、通っていたからです。

 最初の動機は「もっと強くなりたい」というものでしたが、ほどなくして私は桜井会長の人間的な魅力に大きな感銘を受けるようになります。ですから、「麻雀のルールすら知らない」という方にもわかりやすく、桜井会長の麻雀哲学についてお話しします。桜井会長の麻雀哲学は深淵で、実はビジネス哲学、ひいては人間哲学でもあるのです。

 そもそも「雀鬼会」の狙いは、「若者の人間力を鍛える」というものでした。桜井会長から学んだ教えの中で、特に私の心に響いたのは「洗面器から最初に顔を上げた奴が負ける」という言葉です。

 水を張った洗面器に顔を突っ込んでいると、誰もが息をできず、苦しくなります。でも顔を上げたら、負けが確定してしまう。「そんなときに最も必要なのは、忍耐力なのだ」と桜井会長はよく話してくれたものです。

無理をするから自滅を招く

心を鍛える

堀江貴文、藤田晋『心を鍛える』(KADOKAWA)

 私も年齢を重ね、その言葉の意味がよくわかるようになりました。仕事というレースで脱落していく人を順番に挙げると、確かに、➀忍耐力のない人、➁目標設定の低い人、➂固定観念が強くて変化できない人、になると思います

 無論、心を強くするためにも、忍耐力は必須の能力でしょう。麻雀をやっていて、気分が一番ラクなのは、点数をたくさん持っている状態です。そして、ほかの人と競り合っていると苦しいため、「早く一人勝ちの状態になりたい!」と無理をして、アガろうとしてしまいがちです。

 つまり、本当は勝負のときではないにもかかわらず、無理をするから自滅を招いてしまうのです。

心を鍛える

心を鍛える

IT業界を牽引してきた“盟友”が初めて語り合う「生い立ち」「起業」「キャリア」「未来のこと」

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