黒字はアパホテルのみ…ビジネスホテル業界、身売り話も飛び出た要因は「五輪特需の大誤算」 | bizSPA!フレッシュ

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黒字はアパホテルのみ…ビジネスホテル業界、身売り話も飛び出た要因は「五輪特需の大誤算」

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 新型コロナの感染拡大で苦境に立たされるホテル業界。なかでもビジネスホテルはインバウンドの受け皿に……とコロナ禍にも新規開業が相次いだ。そんなサラリーマン御用達のビジホの今を追った

ビジネスホテル

※写真はイメージ

 話を聞いたのは、ホテル評論家・瀧澤信秋氏@takizawanobuaki)、APAグループ元谷一志社長、全日本ホテル連盟理事ら各界の専門家たち。果たしてその見解は?

五輪特需期待でコロナ禍に12万室も増加

 新型コロナの感染拡大でホテル業界の受難が続いている。インバウンド需要が激減し、余暇を楽しもうという国内需要も剥落。コロナ前には業界全体で60%を超えていた客室稼働率は30%台にまで落ち込んだ

 そんな逆風は当然のことながら、サラリーマンの味方となってきた“ビジホ”にも吹き荒れている。

「五輪特需とインバウンド需要の受け皿になろうと、2019年以降、出店ラッシュが続いたのがビジネスホテル。五輪開催に伴う建設費高騰の最中に造られたホテルが多いため、その負担が重くのしかかっている」(ホテル評論家・瀧澤氏)

 実際、「HotelBank」の調査によると2019年1月から2021年10月にかけてビジホの客室は12万室以上も増加。その増加率は18%に達し、シティホテル(4%増)やリゾートホテル(9%)を大きく上回る。全日本ホテル連盟の服部公雄理事も次のように話す。

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「壊滅的なのが、東京五輪特需が期待された東京エリア。連盟の集計データによれば、地方では7~8割の稼働率の地域もありますが、東京は5割程度で推移しています。ビジネスホテルは宿泊に特化することでランニングコストを抑え、その分、宿泊料金を抑えて稼働率で勝負するモデル。それなのに、絶対的に宿泊客数が足りていない」

ホテル事業者の返済負担が急増

 加えて今年から、ホテル事業者の返済負担が急増するという。

「私の経営するホテルがある東京・御茶ノ水周辺で5軒、連盟加盟店だと9軒がすでに閉館に追い込まれましたが、今年はさらに増えるでしょう。2年間無利息・無担保というコロナ特別融資の返済が始まるから。もはや『GoToトラベル』の再開といった外的要因に期待するしかない」(服部氏)

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一部のビジホは新型コロナ感染者向け宿泊療養所として自治体に貸し出し、業績を下支え

 一方で、コロナ禍でも踏みとどまっているビジホもある。そのひとつの要因となっているのが、新型コロナ感染者向け宿泊療養施設としての自治体の借り上げ需要だ。あるホテル関係者がこう漏らす。

「ざっくり、1室1日4000~1万5000円で借り上げてくれる。もちろん通常時の売り上げと比較すれば落ちますが、今のご時世で考えると大きい。こうした協力金という名の“公的資金注入”の有無による業界格差も生まれている

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