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“スマホの奴隷”に…リモートワークで「生産性がダウン」する人の特徴

学び

「いつか使えるかも」と思う人の落とし穴

仕事

 リモートワークをしていると、多くの人はPCやスマホを使って情報収集しながら仕事を進めているかと思います。ITツールは手軽に情報収集もできるため、効率的に仕事を進められます。しかしながら、非効率に陥るリスクがあることにも注意が必要です。

 それは「いつか使えるかも……」と、やみくもに情報をインプットしてしまい非効率になるケースです。仕事で分からないことがあれば手に入れた情報から引っ張り出してくればいいし、何よりもたくさん情報を持っていると知識にもなりますので自信につながります。ただし、これが情報とつき合う上で落とし穴になります。

 どれが有効な情報か分からないけれど「いざという時に、情報がなければ困るはず。“いつか使うかも”と考え、一応ストックしておこう」という不安感から情報を集めていきます。また、集めた分だけ安心感が増して、情報を手に入れる行為自体に充実感を感じてしまうのです

 新たな情報が入ると知的好奇心がくすぐられ、無意識に快感を覚えることすらあります。新しいことを学ぶと脳はドーパミンを放出します。ドーパミンとは、脳内の神経伝達物質のひとつで、快感を得るための脳内報酬系の細胞が活性化する上で中心的な役割を果たすものです。アルコールを飲むと心地よく感じる時と同じ感覚といえばイメージしやすいでしょうか

「コミュニケーションコスト」に注意が必要

転職 仕事

 こうして「いつか使うかも…」と頭の中で発するささやきが、いつしか情報収集に“時間”を奪われ、アウトプットの際も情報過多のまま焦点がぼけたものを発信することにつながっていきます。プレゼンや報連相などアウトプットの際には「準備した情報はすべて伝えよう。いつか不足箇所を突っ込まれて質問されるかもしれないから、そのほうが親切でしょう」と。

 本当にそうでしょうか? 聞き手からすると「あなたは結局何が言いたいの? 話の中心がよく見えないなぁ」と、過多な情報によって、相手には何も伝わらないリスクも生じてきます。「いつか着るかも…」と買った服を処分せずに、タンスの引き出しがふくれあがった時の状態をイメージしてみて下さい。その状態で、着たい服はすぐに探せますか? これは仕事でもまったく同じことです。

 いったん冷静に考えてみましょう。これまでの仕事の中で「いつか使うかも……」とストックを続けた情報は全部使ってきましたか? 案外、仕事の目的や目標からは外れた情報が多くなかったでしょうか?

「いつか使うかも……」は、「もしもの時のために……」と保険をかける際の心理と同じです。インプットやアウトプットに“保険をかける”と、得たい情報を探す時の「時間コスト」や相手に伝える際の「コミュニケーションコスト」(伝わるまでの労力と時間)が、余分に発生することに注意が必要です。

ノイズに振り回されない情報活用力

ノイズに振り回されない情報活用力

「自分に必要な情報の効率的で精度の高い集め方(インプット)」から、「集めた情報の整理」、「情報を使いこなすための方法(アウトプット)」までを解説した、情報の本質を見極め、仕事の成果につなげていくために必要なスキルが身につく1冊

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