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「東大中退、余命5年」それでも僕がラップを続ける理由

 東京大学中退という、ラッパーとしては異色の経歴を持つダースレイダーさん(41歳)

 明晰な頭脳を活かし、ニュース番組の司会を務めるなど、マルチな活躍ぶりはこれまでのラッパーの枠に留まりません。

ダースレイダー

 2010年、脳梗塞により左眼の視力を失い「片目のおじき」の異名を持つ彼ですが、昨年は「余命が残り5年」であると告白し、ヒップホップファンの間では衝撃が走りました。

 今回のインタビューはこれまでのキャリア、現在のヒップホップシーンについて思うこと、そして残された人生で何をしたいか、などなど気になるトピックについてじっくりと語ってもらいました。

死について考えるようになった3つの転機

ダースレイダー

――昨年、膵臓機能の低下や腎不全で医師から5年の余命宣告されたとのことですが、その後体調に変化はありますか?

ダースレイダー(以下、ダース):悪くはなっているということはないです。内臓の数値が非常に悪くて、“このまま何も手を打たなければ”死んでしまうケースもありますという説明を受けてから、治療は受け続けていて、放置はしていないから大丈夫なのかなとは思っています。

 余命宣告されてから出した「5 years」という曲にも書きましたが、この曲を歌うたびに5年ずつ更新されていく、いつまで経っても余命は5年後。そういう乗りこなし方もあるかなと思っていて。要は気の持ちようですね。

――余命宣告が転機となって、日々の生活やアーティスト活動に何か影響を及ぼしたりしましたか?

ダース:実は以前にも意識が変わるタイミングはいくつかありました。まず2010年に脳梗塞でぶっ倒れた時です。深夜のクラブでMCをしているとき、出番の前に顔洗おうと思ってトイレ入ったら目が回って、立ってらんなくなっちゃった。

 トイレの中にいるままだとマズいと思って外に転がり出たら、スタッフの人たちが担いで外に運びだしてくれた。そこにちょうどゲストDJの人が車で到着。その車で病院に連れて行ってもらいました。病院では「夜に起きてる仕事してたからたまたま間に合ったけど、違う仕事してたら朝には冷たくなっていたかもしれない」ってことを言われてヒヤッとしましたね。

――それで、死について考えるようになったと。

ダース:はい、さらにその翌年には震災がありました。僕は東京にいたので直撃はしてないんですが、「もしかしたらずっと会えなくなっちゃう人もいるかも」「今度でいいや、と思いがちだけど、その来週って本当に来るの?」「先送りじゃダメだ、今会いたいと思った人に会わないといけない」って強く感じました。

 不摂生してる人がめちゃめちゃ長生きすることもあるし、健康に気をつけてる人が交通事故にあったりすることもある。今日できることを今日やんないと、明日が本当に来るのかって保証はどこにもないですよね。そういった意味でも、岡本太郎的な表現なんですけれども、一瞬一秒を爆発させて生きていきたいですね。