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父親のクズさを反面教師に…26歳男性が“卒業式で知った真実”とメッセージ

コラム

卒業式で知った真実とメッセージ

 そのうち子供たちをサポートする事業には、児童相談所やNPO法人などがあることを知り、学校の勉強や資格を取得することの大切さにも気づいていったのだとか。竹田さんが勉強するようになると、周囲からお酒やタバコの誘いも自然となくなったそうです。

「卒業式の日、同級生から呼び出されて『お前には絶対に言うなって言われてたんだけど…』と、前に僕のことをかわいがってくれていた先輩が『アイツは、いま頑張ってるんだから邪魔するなよ』と、僕の勉強を応援していたことを話してくれました。同級生にも『頑張れ。もう二度と連絡してくるな』って言われたんです」

 まるでヤンキー映画の1コマのようだったと振り返る竹田さんは、同級生の言葉に感動し、その後も父親を反面教師として必死に勉強。いまは親のDVやネグレクトの犠牲になる子供たちをサポートする仕事をしているのだとか。

「思い通りにいかないことも多いですが、環境のよくない家庭で育った子供たちの心を少しでも癒すことができたら、そして未来に向かって明るい選択肢を増やしてあげられたらと考えています」

父親を反面教師として必死に勉強

家族

 過去の話はあまり知られたくはないし、昔のことを思い出してパニック症状が出ることもあるため、「できれば話したくはない」と言う竹田さん。けれど、「傷ついた子供たちのプラスになるなら」と、つい話してしまうこともあると言います。

「生まれや育ちを言い訳にして卑屈に生きている人もいますが、育ってきた環境や嫌な思いをバネに、よい方向にシフトできることもあるはず。クズのような親のために、自分自身の人生をムダにしないでほしいです」

 父親のクズっぷりを反面教師とし、環境のよくない家庭で育った子供たちのサポートを仕事にした竹田さん。いまは充実した毎日を送っています。親のことで辛い思いや悲しい思いを経験したという人も、今後の人生までクズ親に支配されてムダにしないよう、いろいろな方向へ目を向けてみてくださいね。

<取材・文/山内良子 イラスト/磋藤にゅすけ>

-[僕・私の家の話]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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