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父親のクズさを反面教師に…26歳男性が“卒業式で知った真実”とメッセージ

コラム

 生まれてくる子供は、親を選べません。親の身勝手な振る舞いにより幼少期に嫌な思いをして育ち、人生が狂ってしまう人もいるでしょう。けれど、なかには過去の体験をバネにして誰かのために役立ちたいと懸命に生きる人もいます

悩み

※画像はイメージです(以下同じ)

 竹田和樹さん(仮名・26歳男性)の父親は仕事が嫌いで、犯罪まがいのことで生計を立てているような人間だったのだとか。いわば半グレのような感じで、何度となく警察が自宅に来ることも。ちょっとしたことで機嫌を損ねては、暴力を振るうことも日常茶飯事でした。

クズ親父と最悪な家庭環境

「とにかく家に帰りたくなくて、小学校の低学年ぐらいから暗くなるまでスーパーやコンビニで時間を潰していました。母は朝夜ずっとパートに出て、僕のためにと離婚せずに頑張ってくれていたようですが、いつも殴られていた感じです」

 パート代が入ってもほとんど父親に取り上げられるため、体操服や学校の準備物などを買うお金がなく、フリーマーケットやリサイクルショップのお世話になることも少なくありませんでした。新しい服を買ってもらった記憶は、数回程度だとか。

「近所の人や母親の知り合いから譲ってもらったサイズの合わない服は、着るのが恥ずかしく、そっとゴミ箱へ捨てることもありました。学校では普通に接してくれるやさしい友達もいましたが、救われるのはほんの一瞬。家に帰れば地獄です」

甘い誘惑と迫られた決断

六本木の夜

 竹田さんが小学校4年のときに母親に連れられ、父親のもとから脱出。母親はシングルマザーとなって生計を立てようとしますが、何度も父親にみつかり金を無心されます。そして、そのたびに引っ越しを繰り返したのです。

「母親は生活のために昼も夜も働いていましたし、引っ越ししても父親が金の無心に訪ねてくることもあり、落ち着かない日々が続きました。転校した先では、親がほとんど家にいないような子や親が半グレっぽい先輩なんかもいて、甘い誘惑も結構あったんです。お酒とタバコには手を出してしまいましたが、それ以上は無理でした」

 自分の睡眠を削って働いている母親の姿を見ていると、わけのわからない苛立ちとともに、父親のようなクズ人間になってはいけないという思いが沸々とわいてきたのです。そして、中学校の頃には「誰かの役に立つ人生を送りたい」と決意。

「それからは、自分のように劣悪な家庭環境で育った子供たちがどういう人生を送っているのかとか、そういう子供たちを救うにはどういう方法があるのかとか、とにかく最初は本屋で本を読むことが多かったです」

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