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彼女の“手づくり弁当”に涙…「コロナで会えない」カップルが別れを撤回した理由

コラム

 共通の趣味や嗜好を持つ人との思い出は、記憶に残りやすく、思い出しやすいのかもしれないと感じたことはありませんか? とくに目にすることの多い食べ物に関することは、良くも悪くも記憶に残りやすいのかもしれません

食事

※画像はイメージです(以下同じ)

 高坂真也さん(仮名・当時28歳男性)は、友人の紹介で知り合い、食べることが好きだという共通の趣味がキッカケで付き合って3年の彼女(27歳女性)がいました。新型コロナが拡大する直前の2019年冬、そろそろ結婚したいと考えはじめた頃だったとか。

新型コロナが奪った2人の趣味と時間

「2人で食べ物の話をしているときがいちばん楽しかったです。彼女は居酒屋や食堂も好きだったので、コロナ前は、本当にいろいろなところへ食べに行きました。ラーメンを食べに博多へ行ったり、お好み焼きを食べに広島へ行ったりしたこともあったくらいです」

 ケンカをしたことがなかったという2人の関係を変えたのは、新型コロナでした。感染拡大の影響で緊急事態宣言が発令され、お互いに実家暮らしだった2人は、両親や兄弟のこともあるため、「会うのを控えよう」と約束したのです。

彼女と僕は、いままで離れ離れに過ごしたことなどなかったので、お互いにとても不安でした。相手の話にヤキモチを妬いたり最初は新鮮な気分も味わいましたが、どちらからともなく浮気を疑ったり、ささいな言葉のニュアンスにピリついたりするようになっていったんです」

連絡が途絶えて別れも念頭に

スマホ 女性

 最初は楽しく話をしていても、どちらかのふとした言葉にどちらかが不機嫌になって雰囲気が悪くなるという繰り返しが続いたのだとか。そのうち電話の間隔も空いていき、緊急事態宣言が明けた頃には、お互いに連絡が途絶えていたと言います。

「何度も連絡しようと試みました、でもまた、お互いにピリついた感じになるのも嫌なので、連絡を思いとどまる日々を送っていたんです。そして気づいたら、お互いに連絡が途絶えていたという感じでしょうか。このまま自然消滅してしまうかもしれないと考えることもありました

 どうにかしたいと思いながらも、自分からは連絡する勇気を持てなかった高坂さん。彼女からいつ別れを告げられるのだろうとビクビクしていたある日、出勤前に玄関を開けると、ドアに紙袋が吊るされていたのだとか。

「気持ち悪いと思いながらも一応中身を確認してみると、いちばん上には封筒、その下には紙タイプの弁当容器が3つ。封筒の文字が彼女の文字だったので、封筒の中身を取り出すのは勇気が必要でした。別れの言葉が綴られていると思ったからです」

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