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彼女の“手づくり弁当”に涙…「コロナで会えない」カップルが別れを撤回した理由

コラム

昼休みに屋上で弁当を開封したら…

食事

 手紙を読むことができないまま会社まで弁当を持って行った高坂さんは、昼休みに屋上へ行き、思い切って弁当の紙容器を開封。すると中身は、高坂さんの好物で埋め尽くされていたのです。

「以前に彼女が、僕を喜ばせるために連日のように練習したハンバーグやコロッケも入っていました。それを見た瞬間、無意識におかずを口の中に放り込んで、噛みしめていたんです。すると、彼女との思い出が走馬灯のように思い出されていきました」

 涙で弁当が滲みます。思わず封筒から手紙を引っ張り出すとそこには、彼女の文字で「テレビやネットで真也が好きなものが映るたび、いろんな思い出が蘇ってきて辛くなりました。また、何かいっしょに食べに行きたいよ」と書いてあったのだとか。

弁当の中身に思わず涙

「すぐに、『弁当、ありがとう』と彼女に電話しました。彼女が、『昨日テレビを観ていたら、真也が好きなものばかりが紹介されていて、楽しかったときのことをたくさん思い出した』と涙ながらに伝えてくれたので、恥ずかしかったけれど僕も、彼女の弁当を食べていろんな思い出が蘇ったことを伝えました」

 2人の関係を食がつなげてくれたことに感謝し、「彼女と自分には、食が絡む記憶ほど鮮烈なものはない」と強く思った高坂さんは「コロナはいつまで続くかわからない。これからは2人の趣味をいつでも実現できるよう、同棲しよう」と提案。同棲に踏み切り、おいしいものを毎日2人で作って食べているのだとか

 食べ物にこだわる人も多い世の中、食が絡む思い出は、普通の思い出よりも鮮烈なのになるのかもしれません。

<取材・文/山内良子 イラスト/磋藤にゅすけ>

-[食に関するびっくりエピソード]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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