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手取り17万円・28歳介護士の生活「氷点下でも暖房ナシ、雪を溶かして水道代わりに」

ビジネス

 年収は職種や雇用形態、学歴や居住地によって異なるもの。国税庁の「民間給与実態統計調査 令和2年」によると、25~29歳男性の平均年収は393万円ですが、実際は大きなバラつきがあります。

貧困

鍵本英人さん。暖房費節約のため、日没後は室内でもダウン着用

 今回取材に応じてくれた鍵本英人さん(仮名・28歳・北海道在住)2021年の年収はたったの約245万円。同年代の全国平均より150万円弱も少ないことになります。

コロナ禍で仕事を選べる状況じゃなかった

「月10万円以上も開きがあるんですか……。なんとなく想像はついていましたけど、できれば聞きたくなかったです(苦笑)」

 そんな彼の現在の仕事は、契約社員の介護士。以前は住宅設備会社の営業マンをしていたそうですが上司のパワハラが原因で退職。その後、いくつかのアルバイトを経て、ようやく就くことができたのが今の仕事だったそうです。

「コロナ禍で求人も少ないし、専門学校卒でこれといった資格もない自分を採ってくれるような企業がなかったんです。正直、介護の仕事に興味があったわけじゃないですが、人手不足と聞いたから雇ってくれる可能性があると思って応募しただけ。就きたい仕事を選べるような身分じゃないですから」

養育費が毎月3万円・14万円弱で

貧困

食事は基本的に毎日自炊。この日のおかずは「もやしだけ炒め」

 手取り月収は17万円ちょっと。安月給にもかかわらず、3年前に別れた元嫁との間には子供が1人おり、養育費として毎月3万円を振り込んでいるとか。そのため、残りの14万円弱で生活しなければなりません

 自宅は札幌市内にある築40年以上の2DK中古マンション。街の中心部からは少し離れていますが、管理費・駐車場代込みで家賃は3万2000円とリーズナブル。1人で住む分には余裕のある広さです。

「建物が古いので不安でしたが、意外としっかりした造りで、そこは安心しました。ただ、駐車場は野晒しのため、毎朝、除雪しなければいけないのは大変ですね。この家賃で文句は言えませんけどね」

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