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男性も外見で評価される時代に?反ルッキズムのかけ声と現実

ビジネス

どこまでが「ルッキズム」か

“ルッキズム”が批判されるようになったにもかかわらず、外見の優先順位が高い現状。矛盾するこの傾向については「そもそも、日本と海外ではルッキズムの解釈に違いがあるように感じます」と須長氏。

「海外で主流となっている反ルッキズムは『就職や昇進において、容姿で判断することを禁じる』というものです。日本でもそういった部分を踏襲していますが、それだけではなく『外見を悪く言われた!』という容姿いじりに対する反感として、ルッキズムという言葉が使われるようになった印象があります。つまりは外見重視の傾向が強まったことが、ルッキズム批判を生んだ背景にある、と言えるのではないでしょうか」

「ルッキズムが議論されているのに、外見重視になっているのはおかしい」ではなく、「外見重視が強まったから、ルッキズムが問題視されるようになった」のなら、そこに矛盾はない。外見重視の非常に根深いようだ。

「ルッキズムという言葉が広まり、海外の主流のような議論が活性化したうえで、容姿いじりの是正が進むことも期待しています。ただ、本来の意味と日本で論じられているものに齟齬を感じるため、そろそろ整理したほうがいいですね

婚活と外見はやっぱり関係する

婚活

 では、外見と婚活の関係はどうなのだろうか。「データ自体は少ないです。ただ、『あなたは世間的に見て、自身の容姿は10点中何点ですか?』という趣旨の質問をした社会学者の小林盾さんと谷本奈穂さんの調査では、点数が高い男性ほどマッチング率は高い、というものがあります」と須永氏は指摘する。

「結婚までいかなくとも、“パートナー選びの段階では容姿は重要である”というデータもあり、やはり外見の良し悪しは大きな影響があります。また、 教育学者の鈴木翔さんらが『人間は外見でなく中身が大切だ!』といった建前を持っている人の結婚状況を調査したところ、これらは無関係であることがわかりました。

 つまり、この建前にはあまり意味がなく、婚活における外見重視の傾向を表す結果と言えます。そして、研究結果からわかるように、外見を意識しなければ婚活のスタートラインに立てないリスクがあります。とはいえ、自分の外見をどうするかは個人の自由です。意識を高く持つか、低く持つかは個人が決めれば良いと思います」

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