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コロナで若者のクルマ需要がじわり。BMWが掲げる「未来へ向けたEV化戦略」

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 近年、自動車業界は脱炭素社会の実現を目指すためにEV(電気自動車)化への注目が集まっている。各社が電動化に注力しているわけだが、アウディやベンツといった欧州プレミアムブランドのなかでも、国内でいち早く電気自動車を市場へ投入したのがドイツを拠点とする輸入車大手のBMWだ

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BMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏

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 世界的に広がるEVシフトの潮流から、未来へ向けた電動化戦略についてどのような青写真を描いているのだろうか。また、コロナ禍でどのように消費者志向が変化したのか。BMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏に話を聞いた。

創業以来掲げる「駆けぬける歓び」

 BMWは今年で日本上陸40周年を迎える。バブル期の輸入車ブームを経て、今もなお憧れの高級車として支持されている理由について遠藤氏は「創業以来、スローガンとして掲げる『Sheer Driving Pleasure(駆けぬける歓び)』を体現してきたのが大きい」とし、次のように説明する。

「BMWは、常にポジティブかつ先進的な未来を見据えて、唯一無二のドライビング体験を愚直に追求してきました。なかでも『駆けぬける歓び』というスローガンは、BMWというブランドの核心を示すものであり、長年にわたってドライバーに愛されてきた所以だと考えています。

 単に車の機能性や走行性能だけでなく、運転そのものの楽しさや気心知れた友人とのドライブする時間などの情緒的な価値も、BMWらしさを醸成するものとして根付いています」

とある夫婦がBMWを購入したら…

BMW

「とある夫婦がBMWを購入したのですが、初めは主に旦那さまのほうが利用していて、奥さまはしばらく運転を控えていたんです。というのも、奥さまが『BMWはデザイン性に優れたかっこいい車だけど、運転が大変そう』というイメージを持っていたため、なかなか運転しようと思わなかったからです

 そこで、旦那さまが奥さまを諭し、実際に運転してもらったところ、『こんなに乗り心地の良い車は生まれて初めて』と感じて以来、BMWが好きになったと言います」

 そして、運転のしやすさや楽しさを念頭に置きながら長年開発し続けているのも、BMWの強みだという。

「BMWならではのこだわりとして、前後重量配分を『50:50』にしていることが挙げられます。ハンドリングの操作を左右する重量バランスは、本来SUVやセダン、スポーツカーなど車のボディタイプによって配分を変える必要がありますが、BMWは50:50を全車種に採用しています。この絶妙なバランスは、コーナーを曲がる際、快適な操作性を生み出す要因となっています」

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