長州力に激似の切れっ放し上司に、部下がとった“ささやかな抵抗”とは?
ちなみにK所長には、I所長という同期入社のライバルがいるのですが、彼はマネジメント能力に優れ、社内でも人格者で知られている人物。
個人の営業成績こそK所長に劣っていますが、営業所全体の成績としては逆に圧倒しています。
管轄エリアが隣同士ということもあり、頻繁に業務連絡を取り合っているのですが、I所長から連絡があるとK所長は決まって不機嫌になるとか。
同期のライバル所長の連絡に大暴れ!
「I所長もK所長には毒舌みたいで、ある日電話で打ち合わせした後なんか立ち上がって自らのイスを蹴り倒すわ、トイレのドアを殴るわで1日中大荒れで大変でした。内心ザマーミロって思っていましたけどね(笑)」
そう振り返る山田さんが、「これが一番嫌だった」と語るのが月一度、近所の居酒屋で行われる営業所内の親睦会。
建前上は自由参加ですが、主催者はK所長なので男性社員は事実上の強制参加。
ただの飲み会ならまだマシですが、「お前らに喝を入れなきゃならん!」と酔っていつも以上に粘着質になったK所長に、通常の5割増しの説教を食らうため、「メンタルをカンナで削られる気分」だったそうです。
「酔ってるから話がエンドレスで自分も2時間近く説教されたことがあります。実際、参加するのが嫌で転職してしまった元同僚もいるほどです」
仕事中、長州力の入場曲に社員たちは大爆笑!
さすがに会社側もK所長の態度を問題視しているそうですが、トップ営業マンとしての会社への貢献度を無視できず、現時点では処分も注意もありません。
「ささやかな抵抗じゃないですが、ある日同僚の一人が着メロを『パワーフォール』(※長州力の入場テーマ曲)に変えて、仕事中でそれが突然流れたんです。
所長もいたので笑い声を必死にこらえて大変でしたが、アレはちょっとだけ気分がスーッとしましたね(笑)」
あまりホメられる行為ではありませんが、こんな上司の下では陰にイジってみたり、グチのひとつも言いたくなるもの。
こうした小さなガス抜きを繰り返してストレスを溜めすぎないのも、モンスター上司と折り合いをつけて働くには必要なのかもしれません。
<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>