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「世界一厳しい消費者は日本人」フェイスブックジャパン元代表が語る、ヒットするブランドの作り方

ビジネス

 国内のクラフトビールやクラフトジンを製造する醸造所や蒸留所が増えつつあり、また世界的なトレンドに目を移しても、ハードセルツァーのようなローアルコールで飲みやすいお酒が若年層を中心に支持されるようになってきている。

MOON-X

MOON-X株式会社でCEOを務める長谷川 晋さん

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 こうしたなか、日本発のクラフトビールブランドとして2020年1月に誕生したのが「CRAFTX」である。同ブランドを手がけるMOON-Xは、米国ビックテック企業の一角を担うフェイスブック ジャパン(現メタ社)の代表を務めた長谷川 晋さん@ShinHasegawa8)が2019年に創業した。

 世界を席巻する「テクノロジー」の会社から、なぜクラフトビールを作る「ものづくり」の会社を立ち上げたのか。前回のインタビューに引き続き、長谷川さんが立ち上げたクラフトビールブランド「CRAFTX」の商品開発や今後の事業展開について聞いていく。

大手にはないスピード感で動ける理由

 2019年末のテスト販売を経て、翌年1月に同ブランドの第一弾商品として発売した「CRAFTX クリスタルIPA」。その後も2020年8月に新ロット「No.002」、次いで2021年7月には「No.003」と短期間にリニューアルやアップデートを実施している。

 大手ビールメーカーでは考えられないほどのスピード感で商品改良を加えていっているのだろうか。長谷川さんは「テクノロジー企業では一般的な『ユーザーのフィードバックをもとに商品開発サイクルを回していく』ことを意識している」と説明する。

CRAFTXの『X』は“Next”を意味していて、消費者の声や意見をもとに『あなたが華やぐ、お酒の体験。』というブランド体験を体現できるように、改良を重ねてきました。クラフトビールの味や香り、商品のデザインはもちろん、CRAFTXの飲用体験をより楽しく、華やかにするにはどうすればいいかも考え、消費者のライフスタイルに入り込めるようなブランドを追求しています」

商品開発のヒントになるシーズ(種)

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CRAFTXの責任者を務める宮田達也さん

 CRAFTXの責任者を務める宮田達也さんは「SNSの投稿や口コミ、QRコードからのアンケート、メールからの問い合わせなど、消費者の率直な意見や反応を見るようにしている」と商品開発で留意している点について語る。

フィードバックの整理や分析を行い、実際に消費者のリアルな声を聞くためにN1インタビューに力を入れていますね。商品の感想や意見のほか、インタビュイーとなる消費者のライフスタイルまで深くヒアリングし、潜在的なニーズや商品開発にヒントとなるシーズの掘り起こしを意識しています」

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