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反ワクチン“陰謀論”に走る人の心理とは?女装のオカルト研究家に聞く

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反ワクチンに走ってしまう人の心理

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※画像はイメージです(以下同じ)

――ワクチンの未接種や感染症への考え方を巡っても分断が起きています。そうした集団心理やいわば洗脳状態は、昨今の反ワクチンの街頭デモや、行き過ぎた陰謀論者の行動にも当てはまる気がします。

雨宮:陰謀論を流す人は、ある種のトリガーになる考えを垂れ流しているわけじゃないですか。

 信じた末にある反ワクチンの人たちの過激な活動などは、普通の人であれば違和感を覚えるけど、やっぱりその仲間内には評価されてしまうんですよね。仲良くしている人や尊敬する人から「すごい」と言われ、周りの空気に流されてしまうと倫理観を保つのは難しいと思いますよ。

あやしい思想は「奇麗なもの」を装う

――攻撃的になって周囲を傷付けたり、健康被害が出るようなデマを流したり、本人が金銭的被害に遭っても気付かなくなってしまう。そうなってしまう前段階で、おかしな考え方ですよ、危ないですよと言ってくれないのが難しいところではないでしょうか。

雨宮:そこら中に穴が開いていると思うんですよ。

 その思想の入り口としておしゃれ感やカジュアルな感じを出してきますよね。カルト問題に取り組んでいる紀藤正樹弁護士も仰っていたと思うのですが、近年のスピリチュアルブームの中で、カルトに利用されている事案があったときの話で、最近の霊感商法は“宗教”と言ったら怪しいので、「綺麗なもの」として近寄ってくると。

 たとえばヴィーガン、自然派、地球環境を守りましょうという勢力なんかもそうで、その活動自体は悪いことではないけれど、よくよく観察したら、なかには「あれ? なんかおかしくないか」と感じる人がいたりするのはよくある話だと思います。

 陰謀論も正義感であったり、良いことと思ってやっている中に、どす黒いものがある。それを仕掛ける側は、少なからず儲かるからやっているんですよ。寄っていく人はお金を払わされるだけです。

あなたを陰謀論者にする言葉

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