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2年後「人気ランキング外」になるウエディング会場の共通点

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コロナ後も人気が続く結婚式場とは?

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 結婚式に関わるスタッフには、新たな力も求められます。東京都の場合、コロナ前の披露宴は60~70人規模が主流でしたが、今は20人規模が中心。ゲストは家族や親戚、ごく親しい友人のみとなるため、披露宴はよりパーソナルなものとなり、家族に近い立場での対応が必要です。

 例えば今まではBGMと言えばハッピーな曲が選曲されていましたが、その家族がいつもカラオケで歌っていた思い出の曲をかけるほうが喜ばれるかもしれません。写真撮影もゲストをまんべんなく撮ることが重視されていましたが、今の披露宴では新婦のおじいちゃんの笑顔の写真が1枚あるほうが喜ばれるかもしれないのです。

 このように、今後はその家族のストーリーや関係性、価値観まで理解したサービスを提供できるウエディング会場が求められていくでしょう。これまでも新郎新婦やご家族、ゲストに「寄り添う」という言葉がよく使われてきましたが、まさにその姿勢が必要となり、人間力まで問われていくと思います。これまでブライダルの専門学校や会社の研修で学んできたルール、しきたりだけでは通用しません。

 コロナでウエディング業界は大きな打撃を受けましたが、成長する機会になるという期待もあります。厳しい状況は続きますが、このピンチをしっかりと活かせた結婚式場が評価されることを願っています。

<TEXT/ウエディング研究家 安東徳子>

ウエディング研究家、戸板女子短期大学服飾芸術科教授、一般社団法人日本ホスピタリエ協会代表理事、株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役。30年の長きに渡りウエディングビジネスに関わる中で培われた日本独自のホスピタリティをユニバーサルな視点から再構築、理論化し広くサービス業に広めてきた。単なるマナーではなくビジネスに貢献できるコミュニケーションスキルとしてのホスピタリティ教育は産学両分野からの定評がある。著書に『共感力の鍛え方』『ハネムーンでしかできない10のこと』『世界・ブライダルの基本』(監修)など

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