コロナ禍で大学サークルが存続の危機に。飲み会、合宿も禁止で加入者激減
「大学は勉強せずにサークルばっかりやってました」と語る人は少なくない。だが、近年、大学のサークル加入率が減少し、コロナの猛威でサークルは窮地に追い込まれた。大学生の青春の舞台は、このまま消えてしまうのか……。
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コロナ規制で絶体絶命!加入率とサークル数が激減
大学のサ―クルが存続の危機に瀕している。コロナ禍で新歓や活動が制限されて1年半が経過し、4年間で人が入れ替わるサークルにとって、そのブランクは致命的だ。全国大学生活協同組合連合会の2020年の調査(全国30大学の11,028人が回答)によると、1年生(調査当時)のサークル加入率は48.7%と、前年の82.8%から34.1ポイントも下落。新入生の半数以上がサークルに入っていなかったという。
大学2年生の裕太さん(仮名・筑波大)は昨年の春を「そもそも大学に行けてないし、そのうち終息するだろうと甘く見て、オンラインなら無理に入らないでいいやと思っていました」と振り返る。
「コロナが長期化するとわかり、焦って音楽制作サークルに入ってみたけど、活動といえばチャットに参加する程度。上級生は楽しそうだけど自分は誰も顔を知らないし、空気になじめなくて1か月もせずにフェードアウトしました。新歓コンパなどの通過儀礼が禁止されて大学には恨みすらある」
「自分が卒業したら誰もいなくなってしまう」
加入率が減れば、サークル数もすぼまる。早稲田大の情報誌『マイルストーン』を参照すると、サークルの掲載数は2017年には873だったが、2021年には635になり、約3割減っていた。
4年生の未希さん(仮名・法政大)が代表を務めるスポーツ系サークルでは、昨年の新入生はゼロ。今年は5人仮入会したが、定着しなかった。週1の練習に出るのは自分一人のみで、卒業したら誰もいなくなってしまう。
「オンライン練習でも前向きに励んできましたが、直接会っていないので、やめやすくなってしまったように感じます。以前は体育館で毎週顔を合わせて軽く声をかけれたことも、メッセージの文面で伝えるのはきつく感じられそうで満足に指導もできなかった。50年を超える伝統のあるサークルなのに先輩方には本当に申し訳ない」