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京都の一等地「アジアン夜市」がコロナ下に誕生したワケ。運営会社を直撃した

ビジネス

「熱烈観光夜市」を開発したのは京都の地元企業

 さて、それではなぜ京都で蛙…ではなかった、なぜ「京都で夜市」なのか。熱烈観光夜市を運営する地元企業「イコン」(本社:京都市下京区)に聞いたところ、同社はもともと郊外居酒屋が得意であったが、都心立地へのシフトをおこなっている最中にコロナ禍が襲来。

 この熱烈観光夜市は海外に行きづらいなか「現地に行けないなら、せめて『行った気分』を味わいたい!」をコンセプトに「若者にも親しまれる店舗」として開発した都心型新業態だという。「都心立地の新業態1号店」ゆえに、同社のお膝元である京都市中心部に出店したのはごく自然な流れであったといえよう。

 観光都市である京都でも飲食店の撤退が深刻なものとなっているが、熱烈観光夜市もコロナ禍で撤退した他社居酒屋の跡に出店したものだ。

「現地に行けないなら行った気分を!」

 地元企業である同社は熱烈観光夜市の徒歩圏に「チーズと生はちみつBeNe」「餃子酒場 ROOKIE」を展開するなど京都市中心部で複数の店舗を運営しており、新業態で京都の街を盛り上げることは企業全体の底上げにも繋がることになろう。

京都

熱烈観光夜市がある綾小路の1本北は京都のメインストリート・四条通り。まさに「一等地への出店」であったといえよう

 イコンによると、現時点は「熱烈観光夜市」2号店の出店計画などは未定としている。関西をはじめとして大都市の駅前にも様々な業態の飲食店を展開している同社だけに、もし「多店舗展開」となれば、コロナ禍後には「日本の街なかで周辺各国の料理も楽しめる店舗」として世界中の観光客から人気を集めることになるかも知れない。

「本場とかなり違う!」と思った点もない訳ではないが、熱烈観光夜市2号店が誕生したならば、業態のさらなる進化を期待しつつ「新たな夜市」へと足を運んでみたい。

<取材・文・撮影/淡川雄太・若杉優貴(都市商業研究所)>

若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken

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