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無申告のウーバー収入が標的に!政府が狙う「消費税15%と徴税強化」という地獄

コラム

 コロナ禍を機にウーバーイーツやメルカリでのせどりなどを始めた読者も多いはず。仮想通貨や株取引で儲けた人も少なくないだろう。ただし、今回ばかりは会社員でもしっかり税務申告しないと痛い目に遭いそうだ。何が起きているのか!?

サラリーマン副業

写真/barnan/PIXTA

コロナ禍で滞っていた税務調査が動きだす!

 コロナ禍の自粛生活を支えるウーバーイーツ配達員に衝撃が走った。2021年6月末に配達員に一斉送信されたメールの題名にこうあったからだ。〈麻布税務署よりUber Eats配達パートナーとしての稼働状況について情報の提供を行うよう要請がありました〉。

 メールの本文には、情報提供を要請されたのは配達員の氏名および住所、2019年における報酬、銀行口座の3点で、日本法人は税務当局の要請に応じると通告した。メールを受け取った都内在住の配達員(30代男性)はこう語る。

「本業は会社員なのですが、昨年6月以降、リモートになったので週2日、副業で配達するようになりました。このメールを機に調べてみたら、昨年36万円を受け取っていた私にも申告義務があるようです。ただ、シミュレーションしたところ、申告すれば所得税率が10%から20%になり、社会保険料も月に数千円上がることになりそうなので、正直悩んでいます」

悪質な場合は刑事罰の対象にも

 ファイナンシャルプランナーの中山美里氏はこう補足する。

「原則、副業として配達員をして20万円以上の所得を得た場合は申告義務があります。バイト感覚でやっている配達員の多くは無申告なのではないでしょうか。ウーバーイーツは配達員の報酬から源泉徴収していないので、無申告イコール課税逃れとなり、悪質な場合は刑事罰の対象になります」

 税務署からウーバーイーツへの情報提供要請について「今後ますます厳しくなる」と言うのは元国税調査官で税理士の松嶋洋氏だ。

「2019年の税制改正において、情報照会制度が創設されました。同制度により、所管の国税局はシェアリングエコノミー業者などに、報酬の支払い先である事業主の情報照会を求めることができます。情報照会を受けた事業者が60日以内に協力・報告をしなければ罰則が科されます。

 税務署はこれらの情報と、事業主の申告状況とを照らし合わせることで、不正があればひと目で把握することが可能となるわけです。不用品処分の範囲を超えて多額の収益を上げているメルカリユーザーや、フリーランスのプログラマーやSE向けのまとまった金額の案件も多い仕事仲介サイトなどが狙われる可能性は十分にあります」

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※FP・中山氏が試算。介護保険や生命保険料控除は含まず。妻は専業主婦、3歳の子1人のケース。例示した金額はあくまで一例です

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