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マスク姿でサウナ室に…「地方サウナ」のカオスぶりに29歳男性が驚いたワケ

コラム

常連には「指定席」が存在する

 さらに、もっとも居心地がよくあってほしいサウナ室でも独特な地方ならではのルールがあるという。

「このコロナ禍でも、ほぼ毎日通う常連客が数多くサウナにいます。そういった方は自分のお気に入りの場所があるようで、見かけない新顔の人間が座っていると、あからさまに嫌な表情でこちらをチラチラを見てくるんです

 中には、直接『そこは俺の席なんだ』と無理やり座ろうとする老人もいて戸惑います。同じ施設を何回も使っているとわかるのですが、この曜日のこの時間だと、ここの席はあの常連が使うなと変な気を使わないといけない。我々のような新参者は、肩身が狭い思いをしています。

 また、サウナ室についているテレビも独特で平日の夕方などは相撲、そして野球とおじさんが好んで観るような番組を延々と流しています。最近ネットなどで見かけるような、静かな環境音しか流れていないようなサウナ室が本当に羨ましく感じるほどに、ガンガンとテレビの音がサウナ室中に響き渡っています」

地方ならではの「安さ」は魅力

銭湯 のれん

 ただ、地方のサウナもそんなに悪いことばかりではないと田中さんは話す。

「施設がボロいのもありますが、やはり値段が安いというのは、毎日のように通う我々のようなサウナ好きには非常に助かるところです。なかには、市の施設などでは300円ほどで平日に入れるところもあります。

 基本的には500円以下で楽しめるところばかり。首都圏のサウナはやはり高いですし、半額程度の料金で入れるのは魅力です。また、湯船にも本物の温泉を引いているところが多いので、サウナ以外の楽しみがあるのも魅力ですね」

 サウナブームはまだまだ広がりを見せています。地方では独特のサウナ事情が今後も続いていきそうだ。

<TEXT/高橋マナブ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

特集[ローカルで驚いた出来事

1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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