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僕らは「大坂なおみ時代」を生きている。彼女が日本社会に気づかせてくれたもの

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 テニスの大坂なおみ選手が2021年6月1日、自身のSNSで全仏オープンの棄権とうつ症状を告白し、連日メディアが取り上げている。6月18日には、ウィンブルドンの欠場と東京オリンピックへの出場意思を表明した。

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 東京大学中退の経歴で、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(44・@darthreiderの連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。

 大坂選手の行動に、国際社会はどう反応しているのか。そして社会にどういった影響を与えているのか。今回は、ダースレイダーが2回にわたり解説。まずは、その前編をお届けする(以下、ダースレイダーさんの寄稿)。

僕らは「大坂なおみ時代」に生きている

 後世から振り返って、僕は大坂なおみさんが歴史上の人物として記憶されるのではないか、僕らは「大坂なおみ時代」に生きているのではないかと思っています。最近の大坂選手の活動、発言などから僕は「そういう時代を生きているんだ」という感覚にとらわれることが多いです。

 直近の話題では、全仏オープン試合後の記者会見に関する言及です。大坂選手は自身のSNSで5月27日に、全仏オープンでは会見に応じない意向を発表しました。アスリートのメンタル面から考えて、記者会見に参加するのは負担が大きいということがその理由です。

 実際に大坂選手は、声明発表のあとに行われた1回戦の試合に勝利したあと、会見を行いませんでした。これに関してさまざまな反応がありました。

大坂なおみの声明に日本社会の反応は…

大坂なおみ

© Zhukovsky

 歴史上の人物としての大坂選手の観点は、特に日本社会のさまざまなものを明らかにしてくれています。そういった意味で、日本にとっての「大坂なおみ時代」というのがあると思っています。全仏オープンの記者会見に関する対応に関しては、海外のメディアの反応も非常に熾烈なものがいろいろありましたし、大会主催者からも罰金1万5000ドル(約165万円)を科せられるという厳しい対応がなされました。

 さらに大会主催者は4つのグランドスラム主催者と連名で声明を出し、今後もこうした態度が続く場合は、他の大会への出場資格を問われることになるという非情な圧力がかけられたわけですよね。これは、テニス界のルールというものを遵守せよという圧力でした

 その後、大坂選手は声明文を発表し、優勝した2018年の全米オープンのころから、実はうつ症状に悩まされ、メンタルに危うさを伴いながら選手生活を続けていたことを明かしました。

 これに対してもいろいろな話が出たんですけど、僕がこの話題をツイートで取り上げたときの日本人の反応を見ると、全仏オープンで記者会見に応じないという声明文を発表したときは「わがままだ」「調子に乗っている」という反応が多く見られました。そして実際に大会主催者側からの罰則が出たときも「そうなってもやむなし」という感じでした。

 しかし、そのあとにうつ病を発症しているという声明が発表されてからは「じゃあ何で前から言ってくれなかったんだ」「そういった事情であれば手続きをちゃんと取って会見をしないように求めればよかった、許可を取ればよかったんじゃないか」という反応が見られました。

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