ワクチン接種遅れの元凶「日本医師会」の正体。中川会長にSNSで批判も
ワクチン接種が利権に?打ち手は医師会を優先か
当初、ワクチン接種は遅々として進まなかった。最大のネックは「打ち手不足」だ。そのため政府は、新たに歯科医師や救急救命士、臨床検査技師も接種の担い手として要請。菅首相が「1日100万回」を掲げ、オール医療体制で臨むこととなったため、現在、接種体制は急ピッチで整いつつある。
だが、精神科医で老年内科医でもある和田秀樹氏は「ワクチン接種も医師会が足を引っ張っていた」と振り返る。
「医師会は最後まで歯科医師に注射を打たせないように抵抗しました。国民の命を守るよりも、独占業務を奪われないことのほうが彼らには重要だから。PCR検査の拡充が求められていたのに歯科医師にそれを認めなかったのと同じ構図ですよ」
ここにきて開業医のクリニックでのワクチン接種も広がっている。ついに打ち手不足が解消されたように見えるが、この背景を和田氏は「新たな利権」と推測する。
「歯科医師も集められている集団接種よりも『個別接種でかかりつけ医へ』という流れは、医師会が政府に圧力をかけたからではないでしょうか。歯科医師に補助金を奪われるぐらいなら、開業医の収入減を補うために、ワクチン接種を利権として、“おいしいバイト”にしたのでは。急にワクチン接種の報酬が手厚くなった背景は、単なる打ち手不足だけが理由ではないでしょう」
日本の病床数は世界一なのに…
前出の木村氏も「ワクチン接種の打ち手は医師会が割り当てている」と話す。
「私自身、東京都のワクチン接種枠に5回申し込みました。しかし、すべて打ち手は足りていると断られたのです。医師会の開業医たちが内々で回しているのでしょうね」
医師会は「本来の圧力団体に戻れ」と提言するのは、前東京都知事で、元厚労相の舛添要一氏だ。
「そもそも最初のワクチン接種の診療報酬が安すぎた。こういうときこそ、医師会は圧力団体として、自民党の厚労族議員を通じ、診療報酬を引き上げる交渉をするべきだった。多少は診療報酬を引き上げてもその結果、ワクチンの打ち手が増えるのならば、国民全体の利益につながったはずです」
日本の病床数は人口1000人あたり13床と世界一。それなのに、医療逼迫(ひっぱく)が叫ばれるのは、コロナ患者を受け入れる病院が少ないからだ。
「ここでも医師会は圧力団体として機能していない。重症者患者を積極的に病院が受け入れるような診療報酬の値上げ交渉をしてこなかった。現在は、コロナ患者を自宅やホテル療養にし、薬ひとつ与えずに、医者が見捨てている……。中川会長は連日メディアに登場し、『正義の味方』のマネなんかせずに、医師会を、国民の健康・生命と開業医の利益の最良のバランスを保つ、まともな“圧力団体”に立ち返らせるべきです」(舛添氏)
今後も医師会に振り回され続けるのか。