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歌舞伎町よりすごい?新大久保に緊急事態宣言下でも若者が集う3つの理由

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 東京や大阪など9都道府県で発出されていた緊急事態宣言の延長が、5月28日決まった。この緊急事態宣言時において、たびたびメディアにその様子を報じられる「夜の街」。とりわけ歌舞伎町に対する風当たりは強く、通りや路上飲みをする若者たちの姿を撮ろうとカメラを担ぐテレビマンたちをよく目にする。

大久保

多くの人が行き交う新宿・歌舞伎町~大久保間(画像は一部加工、以下同じ)

 歌舞伎町の飲食店で働く男性(40代)は、そんなテレビマンたちを見るたびに、はらわたが煮えくり返るような気持ちになるという。

「バーや居酒屋とかの飲食店はおおかた20時には閉めている。でも、たしかにホストクラブは営業してるし、若者たちはいつも路上飲みをしている。そういう様子を撮っておけば世間の目が集まって視聴率が取れると思ってんだろ。とりあえず、歌舞伎町を悪者にしておけばみんな納得するんだろ。でも、人であふれているのは歌舞伎町だけじゃない。すぐ隣の新大久保だってすごいんだから」

新大久保はそもそもテイクアウトの街

 歌舞伎町で働く男性の言葉を受け、まずは昼間の新大久保に行ってみると、ほぼ全員がマスクを着用しているものの、コロナ前とほぼ変わらない人混みがあった。大久保通りの両歩道は人で埋まり、前に進もうとするだけでも時間がかかる。ところどころ店の前では行列ができ、ガードレールに腰掛けながら談笑する人、道の真ん中で立ち止まって談笑する人もいるからだ。

 2017年、新大久保の街では主に女子高生の間で「チーズタッカルビ」が流行した。そのブームが落ち着き、次に人気となったのが「チーズハットグ」と「タピオカミルクティー」。この2つの共通点は店内での飲食ではなくテイクアウトが主流であるということ。その人気につられて新大久保ではほかにもテイクアウト専門の店が数多く出店している

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20時以降もテイクアウト専門店は営業中だった

 コロナ禍によりテイクアウト対応の飲食店が増えたが、新大久保はそもそもが「テイクアウトして食べ歩く」という習慣の街である。ガードレールに腰掛ける人の手には、だいたい「チーズハットグ」が握られている。

アイドルグッズ専門店にも多数来客

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 また、テイクアウトでの営業のため20時までの時短営業要請の対象にならない。実際、新大久保では緊急事態宣言中においても20時以降の営業をしているテイクアウトの店は多く、通常通り21時30分~22時に店を閉める光景が見られた。

 また、新大久保に訪れる人々(主に10代~20代の女性)の目的は、これらグルメだけではない。新大久保にはコスメショップやアイドルグッズ専門店が多くあり、若い女性たちに人気だ。両店舗は床面積の合計が1000平方メートルを超える場合は休業要請、1000平方メートル以下の場合は休業の協力依頼にとどまっている。

 20時以降も営業をしている「コスメショップ」と「アイドルグッズ専門店」に入店し、営業時間を聞いてみると、「22時~22時30分など通常の営業時間と変わらずやっている」と教えてくれた。

「コスメショップ」や「アイドルグッズ専門店」でショッピングを楽しみながら、テイクアウトの店でチーズハットグやタピオカミルクティーを味わうという新大久保におけるベーシックな遊び方においては、緊急事態宣言はあまり影響しない。そのためコロナ禍においても、若い女性たちがあふれかえる街となっているのである。

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