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大阪王将は「繁華街から、家の最寄り駅」へ。テイクアウト強化の新戦略を聞く

ビジネス

エリアごとにメニューを工夫

 また、店舗周辺のマーケットをリサーチし、より来店しやすい店舗にするためのさまざまな施策も見られる。

「学生が多いエリアでは大盛りメニューを、ファミリー層が多ければセットメニューを、年配者が多いところでは小皿料理を増やすなど、メニューも工夫しています」

大阪王将

東長崎店のメニュー。独自性が目立つ

 メニューはこれまで全国統一だったものから、「東長崎セット」「浜田山セット」など、店舗限定メニューも加えており、より地域に根差した店舗を目指している

店舗はその地域のコミュニティであるべき

植月剛氏

 大阪王将の帰着駅戦略には、それ以外にもいくつかのコンセプトがあるという。

「店舗はその地域のコミュニティであるべきだと考えています。そこで“絆接客”というマインドを店舗スタッフに浸透させています」

 近隣住民に愛される、チェーン店でありながら個人店のような店舗を目指しているそうだ。

「例えば、店舗の両隣を毎朝掃除したり、これまではタブーとされていた、休憩時間にお客さまとお茶を飲みに行くことなども承認しています

 チェーン店は客との距離感が難しい。しかし植月氏は「こちらが壁を作らなければ、お客さまとの距離は縮まる」という。一般にチェーン店の店長は短期間で他店に異動になるが、大阪王将ではひとつの店舗に3年間は勤務してもらっているそうだ

「そうやって地域にしっかりと入り込んでもらっています。いわゆる“お馴染みさん”と呼ばれるお客さまは、店舗に対していろいろな提言をしてくれる貴重な存在でもあります。『もっとこうしたほうがいいよ』『こんなメニューがあるといいね』などと直接言っていただけるのも、地域に根差すメリットのひとつです」

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