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睡眠時間を削ってない?副業とは違う「複業」で成功する時間管理術

コラム

 時間を切り売りして目先のお金を得ることを目的とする「副業」ではなく、今後のキャリアアップに向けて経験やスキル向上を目的とする「複業」を行う方が増えています。しかし、複業を始めた方のほとんどが陥る課題が「タイムマネジメント(時間管理)」です。

時間

※イメージです(以下同じ)

 複業では、本業を行う平日の日中以外の時間を使うことになりますが、本業で残業をすることもありますし、家庭の用事やプライベートの予定などもあるため、上手く時間を管理する必要があります。

 タイムマネジメントがしっかりできないと、「本業が忙しくなり残業が続いたせいで平日夜にやる予定だった複業の仕事ができず納期を守れなかった」「本業と複業で納期が同じ時期に重なってしまい徹夜で仕事をする日が続いてしまった」といった事態になりかねません。

 実際に私が複業をしているときは、平日の日中は本業、平日夜と土日は複業というスケジュールを組んでいたので、休む暇がなく、体調を崩しやすくなってしまったこともありました。こういったことにならないように、タイムマネジメントのテクニックとして「やらないことを決める」「スケジュールを見える化する」「隙間時間を活用する」という3つの方法を紹介します。

テクニック1「やらないことを決める」

 私がタイムマネジメントで悩んでいたときに複業経験者の方から教えていただいたことが「ECRS(イクルス)」というフレームワーク(考え方)です

 ECRSというのは頭文字を取った略称で、Eは「Eliminate(排除する)」、Cは「Combine(組合せる)」、Rは「Rearrange(並び替える)」、Sは「Simplify(単純化する)」を表します。E→C→R→Sの順番で仕事を棚卸していくことで改善をするという考え方です。

 複業を始めて忙しくなってきた時によくやってしまうのは「Simplify(単純化する)」です。単純化とは作業を早く終わらせるための時短テクニックを行うということです。私も忙しかったときは、1つひとつの作業をいかに早く終わらせるかということばかり考えていました。

 例えば、スマホの辞書登録機能を使って「お」と入力するだけで、「お疲れ様です」という文字が入力されるようにしたり、ショートカットキーを駆使して1秒でも早く作業を短縮していました。

まずは「排除する」から棚卸し

仕事

 しかし、ECRS(イクルス)の考え方では単純化するのは最後です。まずは「Eliminate(排除する)」ということで、やらないことを決めていくことが第一優先です。例えば、お客様への報告用に毎週作成していた資料を排除し、チャットツールを使って箇条書きで報告内容を送る、といったことです。

 もし資料作成に1時間かかっていた場合、辞書登録機能やショートカットキーを駆使して作業を効率化してもせいぜい10分程度短縮できるくらいではないでしょうか。しかし、そもそも資料作成をやめてしまえば、1時間分の時間が空きます。つまり、効率的に作業を行う上で最も効果が大きいのが「Eliminate(排除する)」なのです。

 次に「Combine(組合せる)」は、今まで別々に行っていた作業や工程をまとめて行うということです。例えば、今まではA部署とB部署のそれぞれの担当者向けに会議を開いていたところ、事前に調整した上で、A部署とB部署の担当者を呼んで1回の会議へ組み合わせることで効率化します

「Rearrange(並び替える)」は、作業の順番を入れ替えるということです。例えば、資料を完成させてからお客様へ確認するのではなく、まずはドラフト版として下書きレベルの資料を作成した段階で確認して方向性がずれていないかチェックすることで、手戻りをへらすことができます。

 このように「Eliminate(排除する)」→「Combine(組合せる)」→「Rearrange(並び替える)」→「Simplify(単純化する)」という順番で仕事を棚卸しすることは、複業に限らず、本業でも使えるタイムマネジメントのテクニックです。

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