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有名ラーメン店の海外店長は29歳。流血沙汰に巻き込まれても「将来が楽しみ」

暮らし

在住日本人から地元の人まで楽しめるラーメンを

一燈

ベトナム人スタッフと研修する様子

 オープン当初はホーチミン在住の日本人のお客さんが多かったが、現在はベトナム人や各国の在住者にも人気だという。ベトナムは麺料理に馴染みがあるので、ラーメンは浸透しやすい日本食だと感じるそうだ。

「ベトナムの麺料理、フォーやブン(ベトナムの米麺)はもともと薄味で、自分で調味料を加えて食べるので、はじめは『味が濃い』という意見もありました。そのため、現地のお客様にもラーメンに親しみを持っていただけるよう、ベトナム人スタッフと共同で海老や香辛料を使ったオリジナルメニューを考案しました。嬉しいことにご好評いただいています」

 ベトナムでは感染防止措置が厳しかった分、独自の工夫が求められたという。

「ベトナムでは2回ほどロックダウンがありましたが、ホーチミンは飲食デリバリーが可能だったので(※市や省ごとに措置が違う)、“宅麺”というラーメンキットを開発し、デリバリーしていました。またロックダウン解除後は他の日系飲食店さんとコラボ企画をしたりしました」

人生は有限だと思って過ごしてほしい

一燈

ベトナム人スタッフと共同で開発した「スパイシー・シュリンプ・ラーメン」

 ベトナムでさまざまな経験してきた西家さん。最後に若いビジネスマンに向けたメッセージをもらった。

「僕は26歳でベトナムに移住しましたが、日本で会社員をやっていた時は何かずっとモヤモヤしていました。こちらに来てからモヤモヤすることがなくなり、『将来が楽しみ!』と思うように。自己表現がしやすい環境なので考え方が楽になったからだと感じます。日本人は『将来どうなりたい』と質問すると職業で答え、外国人はライフスタイルで答えるとも聞きます。

 仕事をゴールではなく手段と考え、もしやりたいことが海外にあるのであれば、国外に出るのは難しいことではないはず。失敗やリスクを恥ずかしいと思わず行動してみたらどうかと思いますね。幸せややりがいを感じることは人それぞれなので日本の枠(世間体・常識・同調圧力)に囚われず、人生は有限だと思って過ごしてほしいです」

<取材・文/テラウチマミ 写真提供/ITTOU RAMEN・西家浩章>

中央大学卒業後は金融系、医療系の会社に勤務。「暑い国に住みたい」と勢いで2014年よりベトナム在住。現地日系旅行会社を経て、現在は現地サービス業とライター業をしている。著書『癒しのビーチと古都散歩 ダナン・ホイアンへ』をはじめ、様々なメディアへ寄稿中

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