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平均年収1800万円のキーエンス「高給の理由」をコンサルが分析

ビジネス

外出時の行動はGPSで監視?

会社員 電話

 キーエンスの営業マンは売上ではなく、利益を目標として追っています。利益目標を実現するためのKPI(重要業績評価指標)は数十あり、営業マンの行動は徹底的に管理されています。KPIのひとつに通話時間の制限がありますが、これも無駄の削減(=利益の追求)に他なりません。1日のテレアポ件数をKPIに設定している会社は多いですが、通話時間まで決めている会社はごくわずかでしょう。

 KPIを達成するために行動が厳しく管理されていることも特徴です。外出時の行動をチェックするため、車にGPSが搭載されて監視されているのではないか、との噂があるほどです。また、通話はすべて記録されているという話もあります。

 こうした話は噂の域を出ませんが、行動管理が徹底しているのは事実です。多くの会社ではKPIを設定したものの、上司がその細部までチェックすることはほとんどありません。時間が経過するにしたがって破綻するのが普通です。しかし、キーエンスはその徹底ぶりが違います。マイクロマネジメントを追求しきる文化が醸成されているのです。

 KPIはなんとなくやって達成できるものではありません。意欲的に取り組む必要があります。1つひとつを確実に達成させて利益目標を達成する企業文化こそが、キーエンスの強みとなっています

 営業マンに課される高い負荷と、それを乗り越えて達成する目標。その繰り返しが高利益体質の会社を生み出し、翻って高年収へとつながっているのです。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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