大反対されたブランドが300億円規模に。アパレル苦境のなか「バロック」代表に聞く闘い方 | bizSPA!フレッシュ

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大反対されたブランドが300億円規模に。アパレル苦境のなか「バロック」代表に聞く闘い方

ビジネス

 コロナ禍の影響で、国内外問わず多くのアパレルブランドが窮地に立たされている。相次ぐ店舗閉鎖や破綻……アパレル業界全体は、今まさに大転換を迫られる時期に差し掛かっていることだろう

バロック

株式会社バロックジャパンリミテッド 代表取締役社長の村井博之氏

 そんななか、アパレル大手のバロックジャパンリミテッド(東証一部上場)は、コロナ禍の影響を受けながらも、厳しい状況を乗り越えるためにさまざまな取り組みを行っているという。同社代表取締役社長の村井博之氏に、生き残りをかけた事業戦略や今後の布石について話を聞いた。

日本企業の典型的な「大企業病」に嫌気

 村井氏はこれまでキヤノン、日本エアシステム(JALに経営統合)と大企業を渡り歩いてきたのち、フェイクデリックHD(バロックジャパンリミテッド)の代表取締役会長に就任して現在に至る。キヤノンでは中国の広州や北京の支店立ち上げのために駐在を経験し、日本エアシステムでは香港現地法人の社長も務めた。

 グローバルで着実にキャリアを積み、順風満帆なビジネス人生を送っていたわけだが、なぜ異業種のアパレル業界に転身したのだろうか。「中小企業のベンチャーマインドに惹かれ、興味を持った」と話す村井氏は、大企業から中小企業へと転職した理由について次のように語る。

「私自身、長い間大企業でキャリアを築いてきたわけですが、ずっと大企業で働いていると、仕事に対する熱量の“差”が激しいことに目がいくようになった。社員によってモチベーションのかけ方が異なるのは当然ですが、会社を牽引しているのはやる気があり、情熱を注ぐほんの1〜2割くらい

 残り大半の社員は、中だるみというかマンネリ化というか、いわゆる日本企業特有の“大企業病”にどうしても陥ってしまうのを肌で感じていました。また、海外の現地法人社長をやらせてもらった時も、結局は本社の意向に沿った事業戦略のもとでのマーケティングしか行えず、『もっと裁量持ってその国に合わせたビジネスをしていきたい』という想いが募ってきたんです」

熱意感じる“ギャル系ファッション”に活路

SHIBUYA109

SHIBUYA109

 そんななかで興味関心を持ったのが、90年代に興隆したギャル系ファッションだった。ギャル系雑誌『egg』の創刊や、安室奈美恵のファッションスタイルを模倣した「アムラー」などの影響によってギャルブームが到来。

 ギャル系ファッションブームを牽引したブランドのひとつがEGOISTだ。とりわけ、渋谷109店で働くいわば“カリスマ販売員”のファッションスタイルは、著名人にはない等身大のおしゃれを体現していたことから、多くの若い女性にとって憧れの的となった

「『マルキュースタイル』と呼ばれるくらい、渋谷109の“カリスマ販売員”は非常に影響力を持っていました。1999年に『カリスマ〇〇』というキーワードが流行り、新語・流行語大賞にも選出されたことで、森本容子や中根麗子といった20代の女性販売員が一躍脚光を浴びるようになった。こうした若い女性のパッションやポテンシャルをみたとき、正直に言って目から鱗でした。

 個性が輝き、一生懸命に取り組む姿は大企業の社員と比べても全然勢いが違った。既存の常識やカルチャーを覆し、若い人が新しい文化を作っていく。そんなイノベーティブの源泉に先見の明を感じ、次第にファッションビジネスに興味を持つようになったんです」

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