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経済効果300億円の人気アニメ「おそ松さん」ヒットの理由。監督と構成作家が語る

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女性人気は予想外。“生っぽさ”がウケた?

藤田:その点、今期はストイックでしたよー。

松原:なるべく毎回環境を変えていただけないかプロデューサーにはお願いしていましたが、ずっと会議室でしたからね(笑)。

――『おそ松さん』といえば、女性人気が凄まじいですが、女性に受け入れられている理由はなんでしょうか?

松原:絵がかわいい。これはあると思います。あとは、たまたまじゃないですかね(笑)。

藤田:理由はわかんないですね。もともと赤塚さんのキャラクターはポップでアイコン的ですけど、さっきと一緒で「あそこが楽しかった」「キュンキュンした」「腹が立った」と視聴者の観る角度は本当にバラバラなので。男のコが売れるアニメはもっとキラキラしたイメージがあったけど、生っぽさが受け入れられたんですかね?

松原:そうだったら嬉しいですね。それこそ1期の頃、F6という6つ子のイケメンバージョンのほうをやったとき、「こっちのほうが人気出たらどうしよう」と思ったんですが、当時からアニメに詳しいスタッフは「そうならないと思いますよ」と言ってましたし。

気軽に観てもらえる作品を意識している

おそ松さん

――松原さんが『週刊SPA!』(2016年4月5日号)の「エッジな人々」にご登場された際、「サイレントマジョリティを大事にしよう」と藤田監督はよく口にされているとのお話がありましたが、3期でもその点は意識されましたか?

藤田:サイレントマジョリティを意識するというよりは、コアなファンの人たちだけに向けて作品を作ると、作品やギャグの幅がおそらく非常に狭まってしまう。キャラ人気だけになってしまうのは、赤塚不二夫という冠を背負っている限り避けたいという意識ですね。

 深夜適当にテレビつけて「今週は面白かった」「今回は合わなかった」って観られるようなアニメは少ないので、途中からでも気軽に観てもらえるような、そういう作品があってもいいんじゃないの、というのは常々意識しているところではあります。

松原:「そういう作品があってもいいんじゃない?」は『おそ松さん』を作る上で結構大きいですね。「こんなタイトルがいいでしょ」「こんなネタがあってもいいんじゃないかな」とかいつも頭に置きながら作っています。

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